1部
32話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て罠にかけて弱ったところを、君の忍具と私の弓で仕留めるだけだ。リーはそれを抜けてきた輩はいた場合に備え、ネジは私が狙撃に集中した時の周囲の警戒だ。
この方針に対して何か質問、意見はあるか?」
「あのさ、迎撃のところは分かったけど……どうやって誘き寄せるの?そりゃ、バレないように罠は仕掛けたけど一発で仕留められるような罠じゃないし、絶対に途中で逃げられるって」
「その為に虎を狩ったのだ。テンテン、天の巻物を」
「え?あ、はい」
私はテンテンから渡された巻物を虎の口に咥えさせれ、その背中を急かすように叩いた。すると、リーに即死させられた虎はむくりと起き上がり、そのまま何処かへ走り去って行った。
「ええっ!?巻物が!?いや、死んだ虎が!?えっ、ちょ……ええっ!?」
「落ち着けテンテン。ヒジリ様の弁財天を虎の血管に流し込み、それを動かす事で生きているように見せかけているだけだ。術としての形式は違うが、要するに砂隠れの傀儡の術の類だ」
「それと食える臓物やらは取り除いている。無駄に関しては一切出していないぞ」
「そういう問題じゃ……ってそれより巻物をどうするの?」
「あれで釣るのだ、餌としてあれ以上のものはないだろう」
「いや、そうじゃなくてさ。取られたりしないかって事」
「その辺りは私を信じろとしか言えんが、条件としてはこちらの方が数段有利だから安心したまえ。
私は君のトラップを知っているため自由に動けるが、相手はトラップの場所や種類を想像し、巻物を得られる可能性とトラップによって負うダメージを天秤に掛けながら、私の虎を追わなければならないという精神状態にならざるを得ない。そういった圧倒的な精神的優位性があるということが一つ。
もう一つ、肉体的にも私は体への負担を一切考慮しない動きが可能だ。要するに虎の全速力が延々続き、相手はそれを追わなければならない。リー程の身体能力がない限り、下忍でそれに追いつける輩はそういないだろう。
最後に戦術的にも白眼の範囲内において、相手の手の内を大凡掴む事の出来るという優位性がある。
私はこれで容易く負けるとは思えないが、君はどう思う?」
私の問いにテンテンはやれやれというように肩を竦め、降参というように両手を挙げた。
だが、彼女もこれの方針に一つだけ問題がある事は理解しているようで、彼女が迎撃の為に巻物から取り出した忍具は面制圧に適した物が多かった。
その一つの問題とは私の肩だ。ごく普通の動きなら問題は発生せず、柔拳も長時間で無ければ行使も可能なまでには処置してあるが、弓は流石に問題がある。
私の弓は矢の特性上、遮蔽物を貫通する事に関しての一切の心配がない。が、相手へのダメージと飛距離に関しては通常の弓と差はない。幾らかは最適化しているものの、そこにかなりの筋力
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ