第4部 誓約の水精霊
第1章 聖女
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だと言ってデルフをルイズの部屋に残していたのだ。
それを、ルイズが持て来た次第である。
ルイズは木の陰に隠れて、ずっとウルキオラとシエスタのやりとりを見張っていたのだ。
「なによう!ウルキオラの奴!」
ルイズは木の幹を拳で叩きながら、う〜〜〜!と唸った。
木から離れた椅子では、ウルキオラが石を退かしていた。
ウルキオラに抱きかかえられたシエスタは、満更でもない表情である。
さきほどウルキオラが座っていた椅子に直撃した石は、ルイズが木の陰からぶん投げたのである。
自分の使い魔のくせに、他の女の子とキスするのが許せなかったのである。
デルフリンガーが、とぼけた声で言った。
「なあ、ルイズ」
「あによ」
「惚れてんのか?相棒に」
デルフの言葉にルイズは顔を赤らめた。
「ち、違うわ!これは、その、あれよ!」
「そうか、あれか〜」
デルフはからかう様に言った。
「ちょっと、あんた!剣のくせに……」
ルイズがデルフを叱ろうとするものの、ある人物の乱入により、それは遮られた。
「なにをしている?ルイズ」
「あっひゃ!」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえたので、ルイズは飛び上がった。
ウルキオラである。
響転で移動してきたのだ。
シエスタは急に目の前からウルキオラが消えたので、ウルキオラさ〜ん、と喚いている。
さて、ウルキオラのもつ探査回路はなにもモノだけを探知できるわけではない。
周りにいる生命体も探知できる。
そんなウルキオラが、木の陰に隠れたルイズに気が付かないはずがないのである。
「きゅ、急に声かけないでよ!び、びっくりするじゃない!」
ルイズは一呼吸置いた。
「ここで何をしている?」
「さ、散歩、散歩よ!」
ルイズは目を逸らしながら言った。
嘘であることは明白であったが、ウルキオラは咎める気にはならなかった。
「そそ、散歩だよ、相棒。使い魔を見張る…ごはっ!」
デルフの言葉はルイズの華麗なる蹴りで遮られた。
ルイズは息を荒げてデルフを蹴りまくる。
「いた!ちょ、ま!ごめん、ごめんって!」
デルフは何とかルイズに蹴るのをやめて貰おうと必死である。
ウルキオラは溜息をついた。
ようやく虚無に覚醒したかと思えばこの有様である。
溜息をつくのも必然と言えた。
「そのへんにしておけ」
ウルキオラの言葉でようやく蹴るのをやめたルイズだったが、未だに怒りが収まらないのか、ウルキオラをむむむ、といった表情で睨んでいる。
ウルキオラはルイズの蹴りから解放されたデルフを手に持ち、ルイズの方を向く。
ウルキオラに怒りの視
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