暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
0879話
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浮かべていた頬を赤く染めつつ、口を開いて何かを言いかけ、再び口を閉じる。

「はははは、さすがに鬼姫も恋愛沙汰には弱いと見える」
「た、崇継さんっ!」
「ああ、すまないね。……ただ、アクセル。彼女はこう見えても次期崇宰家当主候補の身だ。もし本当に彼女という花を手折るつもりなら、相当の覚悟が必要だよ?」
「へぇ。恭子はなかなかのお偉いさんな訳だ」

 古式ゆかしい、あるいは伝統を重んじると言えば聞こえはいいが、今の日本の実態は男社会以外の何物でもない。そんな中で武家の頂点に立つ五摂家の次期当主候補が女だというのは、正直な話言葉以上に驚かされる。
 まぁ、女でも十分に活躍している夕呼のような人物もいるが、それはあくまでも国際社会での話だし、例外でしかない。
 これが他の前線国家なら、男の多くは軍隊に志願してBETAに殺された結果、女の地位が自然と向上したんだろうが。

「そんな……でも、煌武院家の当主は私よりも随分と若いのに、女の当主ですよ」
「ふふっ、あの家は色々とあるからね」

 恭子の照れたような言葉に、崇継が小さな笑みを浮かべる。
 何だ? 何かあるのか? いや、煌武院家と言えば……
 聞き覚えのある名前に夕呼の方へと視線を向けると、視線を逸らされる。
 確か機体の引き渡しの時に斑鳩家ばかりに手柄を渡すわけにはいかないとか言って、煌武院家から月詠が護衛として連れてこられたんだったな。
 そう考えると、斑鳩家、崇宰家と縁を結んだのは夕呼としては微妙に面白くない出来事なのかもしれない。
 とはいえ……

「ま、難しい話はこの場では無粋でしかない。今は二条城の雅な桜を楽しもう」

 崇継の言葉に頷き、シャドウミラーのメンバーと夕呼、社に崇継と恭子を加えて花見を存分に楽しむのだった。
 その中で何故か……いや、ある意味当然ながらスレイや恭子が意気投合したり、崇継が思った程に得体のしれない奴ではないと判断することになる。
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