マブラヴ
0879話
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ルの口からその言葉が出たのはある意味当然だったのだろう。
「ふーん。自分達の世界すら自分達で守れないで俺達に泣きついてくるような力しかない弱者の分際で、随分偉そうなんだな。自称日本帝国って言うんだっけ? もうちょっと身の程って言葉を知ったら? そうすれば帝国なんて恥ずかしくてとても口に出来なくなるだろうし」
「なっ!」
斯衛の顔が瞬時に怒りで顔が赤くなり、前に出ようとするが……
「やめろ、と私は言ったぞ?」
斑鳩が先程までよりも一段低い声で呟く。
そのまま鋭い視線を斯衛へと向けた斑鳩はそのまま言葉を紡ぐ。
「元々はお前達が彼等を侮辱したのが騒動の原因だ。それを同じように侮辱されたからと言ってその態度は見苦しい。そもそも、現在の日本はシャドウミラーからの輸入品のおかげで国民を飢えさせずに済んでいる状況だ。なのに、そのシャドウミラーとの力の差を理解出来ずに突っかかっていくのは、雅ではないな」
「……申し訳ありません」
「はぁ、もういい。ここにこれ以上いる必要は無い。下がれ」
そこまで言われては斯衛としてもそれ以上何かを言い張る事が出来なかったのだろう。渋々といった感じで頭を下げる。……ただし、俺達じゃなくて斑鳩にだ。
最後に鋭い視線でこちらを……より正確にはアウルを一瞥した斯衛は、そのまま去って行く。
その背を見送った斑鳩は、改めて頭を下げる。
「済まないね。斯衛というのは武家の中でも選ばれた者達が所属する軍隊なんだ。そうである以上、どうしてもプライドが高くなるのさ」
「いや、こっちも言い過ぎたからな。……アウル、お前もだ。確かに今回は向こうの方に原因があったが、あっさりとその喧嘩を買うような安い真似はするな」
「ちぇーっ、分かったよ」
「この、馬鹿もんが! 個人の事情で国家間の関係を悪くするような事になったら、母上に何と言うつもりだ!」
俺の言葉に不満そうに頷くアウルの頭部にイザークの拳が落ちる。
その理由がシャドウミラー云々じゃなくて、エザリアに関係しているというのが、らしいと言えばらしいんだが。
イザークに引っ張られていくアウルを眺めつつ、改めて斑鳩へと視線を向けて口を開く。
「騒がしくしてしまったな」
「いやいや、気にしないで欲しい。それで、どうだろう? お互いに友達付き合いをして貰えると色々と楽になるんだが。……立場が立場だからね。どうしても同格の友人というのは少ないんだよ」
そう言いつつ、斑鳩の視線が向けれたのはこの場に残っている斯衛の1人。真壁とか言ったか? その男だった。
友達付き合いか。……目の前に立つ男に対する警戒心はまだあるが、それでも日本のお偉いさんと関係を持つのは悪くないだろう。それに、俺に男友達がそれ程多くないというのも事実だし
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