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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百八幕 「沈め、水底へ」
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力を上昇させた。大出力レーザーの反動で腕部が軋みをあげるブルー・ティアーズの姿勢を必死に支えながら、歯を食いしばって更にヴァリスタを押し込むように前に出す。砲身が爆発してもおかしくないほどのエネルギーが、ゴーストのバリアにこの上ない負荷を畳みかけた。

その超高熱と破壊力を間近で感じている箒もまた、暴れるゴーストを握り潰すほどの力を込めて捕らえ続ける。一歩間違えばさしもの紅椿とはいえ撃墜されるであろうに、それでも押す。

「いい加減にぃ………抜けろよぉぉぉーーーーッ!!」

そしてその拮抗は、2人の気迫に呼応するようにジリジリと拮抗を崩した。白色化していくバリアはその膨大なまでの熱エネルギーを受け流しきれなくなり、べきべきと音を立てて極所結晶化を起こし――ばきゃり、と破損する音が響いた。

直後、極光は巨大な光の矢となってゴーストを撃ち貫いて爆炎を撒き散らした。

その破壊力によって空中分解を起こしながら海へと落ちていく強敵を前に、『紫電清霜』の発動が終了して強制冷却モードに入った紅椿と、同じく砲身が強制冷却に入ったブルー・ティアーズが並ぶ。互いに機体への負荷と爆発の衝撃で汚れているが、その瞳はやり遂げた人間のそれだ。

亡霊(ゴースト)を打ち払う矢、か……まるで破魔矢だな」

ゴーストを撃破して水平線の彼方へ消えて行ったヴァリスタの一撃を見て、箒は誰に言うでもなくごちた。セシリアは破魔矢というものが理解できないのか、首を傾げる。

破魔(デモンブレイカー)?悪魔祓いとは違うのですか?私の国にはない考え方です」
「私としては破魔矢よりは梓弓(あずさゆみ)のほうがいいのだがな……」
「それは、どういう違いがありますの?」
「破魔矢というのはな、本人が祓いたい魔に対して使うものなのだ。だが梓弓なら矢をつがえる必要はない。鳴弦(めいげん)の儀と言ってな。弦を鳴らして魔をまとめて遠ざけるのだ。これから亡霊(ゴースト)もやって来ない」

ほぅ、と興味深げに聞き入ったセシリアは、しかしこう答えた。

「ならば私は破魔矢の方が好きですわ」
「それは、何故?」
「だって、避けられない困難が立ちはだかった時には自力で破らねばならないでしょ?ならばわたくしは破魔矢を用いて困難を打倒する方を選びますわ」

その言葉に箒は苦笑した。要するに、セシリアはまじないの類など信用しないという事らしい。破魔矢も武器になるなら使ってやろう、とでも言わんばかりの口ぶりからすれば、彼女には破魔矢すら必要ないだろう。

「さて、後はゴスペルの暴走を止めるだけか。……む、一夏の奴め……漸く本調子になったか」
「ええ、そのようで。破魔矢が早速効きましたかしら?」
「かも、な」

戦闘が本格化したのか、シャル、ラウラ、一夏の3人は再びゴ
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