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て。隣も同じツインルームのはず。
 まさか。
 飛び起きて廊下へ。隣の部屋のドアを叩く。
 そうよ、どうして不思議に思わなかったの。
 食事の順番だって大変だったのよ。旅行中のように寝泊りできるわけがない。母娘の二人きりでツインルームを独占できるなんてどうしてわずかな間でも不思議に思わなかったんだろう。
 開いたドアの中は思った通り、大人と子供を併せて八人もの人がいた。わたしたちが使うのと同じ広さのツインルームの中に。
 急いで反対側の部屋のドアも叩く。同じ…… 
「あなたと、あなた、そうあなたたちよ、こっちの部屋にいらっしゃい」
 両側の部屋から二人ずつ、これで六人ずつになったわ。すべての部屋を確かめたわけではないし、これ以上は無理だけど。
 一つのベッドに三人で眠るのは快適とは言いがたいけれど、四人よりはマシなはず。
 わたしは母と寄り添って、頭と足を互い違いにしてナタリーというお姉さんが一緒に眠った。
 いくら母が一緒でも、男性と一つベッドは、ね。そのくらいは特権として認めてもらってもいいと思うわ。          


 ええと、これで民間船が何隻になったんだ? いや、何隻足りないのか、そっちが大切だな。そうか、船の大きさによって乗船人数も違うんだ。
 ああ、ジャン・ロベール・ラップがいてくれたら───
「中尉。確認をお願いします」
「予定していた軍用船がだめになりました」
「修理中の民間船ですが、航行には支障はなく、客室の装備基準が問題だそうで」
 ああっ、まったくもうっ
 手足と頭があと五人分は必要だ。
「それは大尉に確認してもらうように言ったはずだ」
「非常時に出せない軍用船なんか意味がないだろうが。動かないなら別だが、そうでなければ出させろ」
「航行に問題がなければいいんだ。客室にエアコンがなくてもけっこう」
 こんなことまで私の判断を仰ぐのか? ラップでなくてもいい、アッテンボローの奴でもいいから! ずっとこの調子でイライラするなという方が無理だ。
「中尉」
「大尉に任せてある」
 だから声の主が、その大尉であることも気づかなかった。
「ああ、すまない。大尉だったのか。何か大尉に判断できないことが?」
「いえ……そうではなくて、少し休憩を取られた方がよろしいかと」
「休憩? ああ、この任務が終わったらたっぷり休憩するよ」
 今はまだ暴動には至っていないが、帝国軍に包囲され、ひとところ───というには広いし点在しているが───に収容されている、先日まではそれぞれが自由に健康に暮らしていた民間人が、この状況に長期間耐えられるとは思えない。少人数でないのもここまでいけば、不安の連鎖を呼びやすい。
 脱出作戦は始まったばかりなのに、食事の配給や、休む場所の手配は遅れた。最初に食事を始
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