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『曹徳の奮闘記』改訂版
第五十四話
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 結局、俺は周泰を慰めるのに一刻程時間が掛かった。

「それで、周泰の身柄だけど、取りあえずは捕虜な」

「………それは仕方ありません。私の甘さ故にです」

 周泰も渋々と納得してくれた。

「取りあえずは監視付きと武器は没収な」

「大変ですッ!!」

 その時、一人の将が入ってきた。

「どうした高順?」

 それは以前、霞の隊にいた高順だ。

 部隊でもよく指揮っていたので将に昇格させた。(といっても霞の部隊をだが……)

 今、高順は荊州方面の守備を担当している。

「副官、悪い報告と良い報告があります」

「だから副官と違うっつうの。悪い報告から頼むわ」

「間者からの報告ですけど、荊州が劉備の手に落ちました」

「何だとッ!? じゃあ劉キ殿は………」

「………亡くなられました。そして劉ソウ殿は荊州の建て直しを図ろうとしたのですが、劉備を荊州牧にという声が多く、更に反劉ソウ派が劉ソウ殿の暗殺未遂をしました」

「劉ソウ殿は?」

「辛うじて荊州を手勢五千と一緒に脱出をしてこちらに来ています」

 ………そうか。

「分かった。後で会おう。美羽もそれでいいな?」

「うむ。構わないのじゃ」

 美羽が俺の言葉に頷く。

「それで良い報告は何だ?」

「入隊希望者です。それも将への」

「………へぇ。それは会ってみるしかないな」

「うむ。妾もそう思うのじゃ」

「じゃぁ先に劉ソウ殿と会うか」

 俺と美羽、七乃は劉ソウ殿が待つ部屋へと向かった。







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