ハープニーングッ!
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てしまっていた。
と、気がついたらアーサーがジッとこちらを見る。
目を離せずにいると、スッと長い指が下りてくる。
「…悪いけど…菊の後ろ」
言われてどこうとすると、アーサーがそのまま手を伸ばす。
「どかなくていい……そのままで」
彼のシャツが菊の頬に触れる。
顔を上げると、白い首筋と唇が目の高さの位置にある。
(わ……)
香りと彼の身体から発する体温がすぐ間近に感じられる。心臓がドキドキと大きな音をたてた。
そしてローションをつかむと、鼻のすぐ先という距離でささやく。
「ありがとう……これでもう、大丈夫」
「あ、はい…」
「邪魔したな」
まだ笑みが残る表情で脱衣所から出ると、アーサーはパタンっとドアを閉めた。
菊はへなへなと脱衣カゴに寄りかかる。
「心臓に悪いですって……」
そう呟くと、大きく息を吐いた。
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ポチャンッ……と、湯船のお湯が跳ねる。
菊はほとんど顔まで浸かり、先ほどのことを思い返していた。
(……アーサーさんって…無防備なのか、時々、ああいうことをしてきますよね)
「あんなに綺麗な顔して、あんなに近づかれたら……誰だって緊張するに決まってます…」
独り言が浴室に響く。
“…アーサーってさ、ここに来るまで、ぜーんぜん楽しそうに笑ってなかったんだよ?”
「……」
こちらを見て、フッと笑うアーサーの顔。
「たまたまですよ……」
菊はそう呟くと、ザバッと湯船から上がった。
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