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【ネタ】 戦記風伝説のプリンセスバトル (伝説のオウガバトル)
23 闇よりの使者
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の手すら借りずにこの地上で終わるまで殺し合えばいいさ。
ラシュディのような人間がいるかぎり、おまえたちの世界に争いが消えることはないのだ……」
「あなたたちのおかげでガルフは永遠に魔界へ封印されました。
感謝します。
これでこの呪われた封印の地も平和なところとなるでしょう」
「この封印の地の役割もついに終わりとなったわけですね」
「聖なる父よ。
王国軍にご加護をあたえたまえ!」
「しかし、魔導師ラシュディがいるかぎり、封印されし魔界の住人は現世へ出てこようとするはず。
ラシュディを倒してください。それができるのはあなたたちだけです」
魔王ガルフ討伐成功。
この報は、カストロ峡谷の戦いで帝国軍の勝利に湧いた新生ゼテギネア帝国に冷水を浴びせ、勢力を伸ばしていた新生ゼノビア王国の士気を大いに高めた。
けど、人々の明るい顔とは別に私の気分はすぐれなかった。
自分でブーメランが突き刺さった形だが、人というものが本質的に飽きもせずに争い殺しあう歴史を知っているからだ。
その愚かさをよりにもよって悪魔から保証されてしまった。
アンタンジル城での残務処理での中、その自己嫌悪を心に抱え込んでいたのを見ぬかれたらしく、デスティンがふいに私を連れ出したのが貿易都市イノンゴだった。
盆地の真ん中にあり湖に浮かぶこの街は、オウガバトルの時代に魔界と契約した者たちの末裔が住んでいる町で、人が住む街の中で随一の繁栄を極めていた。
「ヒヒヒ……。
よく、いらっしゃいました。
私達は暗黒のガルフという悪魔をこの地に封印したときに、一緒に閉じこめられたんですよ。
封印は北の山々にそってほどこされており、われわれは山より外へは出れませんでした」
私達を案内するイノンゴの人の顔は明るい。
その笑顔を眺めるだけだった北の山々に向ける。
「あなたたちのおかげで、やっと封印の外へ出れます。
……もう、うれしくって。
なんだかナミダがでちゃう。お〜い、お〜い……」
デスティンが見せたかったのは、きっとこれなのだろう。
私のやったことは無駄ではないと。
それを見せるために、彼は私を連れだした。
その気遣いがすごく嬉しい。
「ありがとう。
デスティン」
私のお礼に、デスティンはあっさりととんでも無い事を言ってのける。
「たとえ何があっても、エリーを信じるよ。
だから、こまった時は遠慮無く助けを求めてくれ」
彼の笑顔が眩しくて見れない。
自分の顔が真っ赤になっているのが分かる。
嬉しいし、恥ずかしいし、そんな自分に腹が立つし、あたまがいろいろめちゃくちゃになって考えがまとまらない。
「お二人さん。
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