マブラヴ
0878話
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聞かれたら氷に閉じ込められるわよ? 言っとくけどそうなったら1人でやられてね。私を巻き込まないように」
「あ、ちょっと円。私を見捨て……」
そこまで告げた、その時。美砂の肩にポンと手が乗せられる。
あまりのタイミングに、ビクリと身体を震わせる美砂。
だが振り向いた先にいたのは、エヴァではなくアウルだった。
「ふふん、どうしたんだ? やっぱり俺達が先にシャドウミラーに所属する事になったから……って、おい、本当にどうした? いや、ちょっと待て。おいこら、一体何を……」
最初は自慢そうに美砂に告げたアウルだったが、美砂からの視線が剣呑なものであると知り、思わず後退る。
そう言えばこの2人って相性が悪いというか、何かと張り合ってたんだよな。
以前にも確か似たような事が何度かあった気がする。
「ふっ、ふふふふ……ふふふふふ……私を怒らせたその愚かさをあの世で悔いなさい!」
そう告げる美砂の周囲には光の矢が10本程浮かび上がる。
……へぇ、無詠唱を使いこなせるようになっているのか。随分と成長しているな。
「おい、何だこの女。何いきなりぶち切れてるんだよ! アクセル、アクセル!」
「……呼んでますよ?」
クイクイ、と服を引っ張って尋ねてくる社だったが、それには問題無いと頷く。
「ああ見えて、あの2人は結構仲がいいんだよ」
「……そうでしょうか?」
小首を傾げる社だったが、実際にあの2人の相性はそう悪いものでは無いと思っている。
美砂にしろ、円にしろ、将来的にシャドウミラーに入るというのなら、今から交流を深めておくのは大事だろう。
「全く、分かってるのかいないのか……ま、そこがアクセル君らしいって言えばらしいんだけどね」
何故か呆れたような笑みを浮かべつつ、円が俺の隣――社とは反対側――へと腰を下ろす。
そんな円へと視線を向けていた社だったが、視線が合うとビクリと身体を震わせる。
だが、円はそんな様子には気が付かなかったかのように、口元に笑みを浮かべて口を開く。
「社ちゃんだったわよね。私は釘宮円。あそこで追いかけっこをしている美砂と一緒にアクセル君の従者をやってるわ」
「従者、ですか?」
「そ。ほら、こういうの」
興味深そうに尋ねた社に、円はパクティオーカードを取り出して見せる。
踊り子の如き衣装を身に纏っている円の姿が描かれているカードを。
「えっちぃです」
「ぐはっ!」
社の口から漏れたその言葉にダメージを受ける円。
色々な意味で混沌としてきたな。
立ち直った円が、オズオズとだが近寄っていった社と話しているのを見ながら、俺は桜へと視線を向ける。
青い空に白い雲。まさに行楽日和といった天気の中で、桜の花びら
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