マブラヴ
0878話
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取っていたので、背後から掛けられる声に言葉を返す。
そこにいたのは、国連軍の制服にウサギの耳飾りを付けた社と、同じく国連軍の制服の上から白衣を纏った夕呼。
「どうやら満足しているようね」
「ああ。この桜の景色は絶景だな」
「それはそうでしょ。ここは京都でも有名な花見スポットなんだから」
そう告げながら、夕呼はひょいっとばかりに俺の前に広がっている数々の行楽弁当の中から野菜のテリーヌを摘まんで口に運び……その動きを止める。
「……博士?」
コテンと小首を傾げて尋ねる社に、ようやく我に返った夕呼はジト目を俺の方へと向けてくる。
「あんたねぇ……こんな美味しい料理を独り占めするなんてずるいわよ」
「ま、折角の花見だしな。さすがに合成食って訳にもいかないだろ」
ここで合成食なんかを出そうものならエヴァ辺りが本気で暴れかねない。
「それより、オルタネイティヴ4の総責任者が護衛も連れずに出歩いていいのか?」
「護衛? 当然連れてきてるわよ。ただ、今は二条城の外で休ませてるけどね。何しろ、ここは斯衛が警護をしているのよ? 身の不安なんか全くないわ。……いえ、アクセル達がいるって時点でその辺の心配はしてないんだけど」
やっぱり重要人物だけあって護衛がつくのは普通なんだろう。展示会の時も色々と護衛の類は付いてきてたし、ストライクダガーを引き渡した時は月詠とかがついていたしな。
そのまま夕呼と社は、俺の近くに座って料理を食べ始める。
夕呼はレモンやマリューと技術的な話をしているからいいんだけど、社が俺の側から離れないんだが……そんな風に思っていると、不意に美砂と円がこちらへとやってくる。
「アクセル君、その可愛い子は誰?」
「はっ、ま、まさかアクセル君……その子にも手を出したんじゃ……」
円と美砂の言葉に思わず溜息を吐く。
「幾ら何でもそれはない。人を犯罪者にするなよ」
「えー、でも中学生の私達に手を出したのを忘れちゃいないわよね? その子と5歳くらいしか年は離れていないわよ?」
「……鬼畜?」
コテンと小首を傾げて尋ねてくる霞。
どこでそんな言葉を覚えた……と思うものの、誰が吹き込んだのかなんてのは考えるまでも無いだろう。
その元凶であるだろう夕呼へと一瞬視線を向けるも、本人は全く気が付いた様子もなくレモンやマリューとの会話を楽しんでいた。
小さく溜息を吐き、改めて視線を美砂と円の方に向けて説明する。
「社霞だ。ほら、挨拶しろ」
そう促すが、俺の服を握ったままペコリと小さく頭を下げると再び俺の後ろに隠れる。
「うわっ、なんか反則的に可愛いわね。エヴァちゃんの大人しいバージョンって言うか」
「ちょっと、美砂。あんたまた……エヴァちゃんに
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