concludere
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人狼』。これを意味するものはーー裏切り、だ」
戦人の紡ぎ出した楔が2本、3本と体を貫く。力強い熱弁に伴った楔の威力に、体が後ろに仰け反る。痛みはあるが、血は出ない。それが、首と額と胸に突き刺さっていてもだ。
「補足だ。以上の[青]を受け入れるが、
【儀式には何の支障もきたさない。抉られた順番は碑文の通りだ。】」
「...だろうな。お前が、そんなミスを犯すとは思えねえ」
おや。意外と信頼されていたんだな。嬉しいような、皮肉られたような...。
「さて、最後の再構築と行こうか」
第六の晩。腹を抉りて殺せ。
第七の晩。膝を抉りて殺せ。
第八の晩。足を抉りて殺せ。
彼の者らは、姿の見えぬ魔女に怯え盲目のまま死す。
再構築された貴賓室内で横たわる3人。夏妃は腹を。楼座は膝を。朱志香は足を。それぞれを杭で抉られている。
「復唱要求。部屋の鍵は施錠されていた」
「【部屋の鍵は施錠されていた。俺が持つマスターキーで鍵を開け、3人の死体を確認した。】」
「聞く手間が省けたぜ。なら、別のことを復唱要求だ。死体を発見するまでにドアは一度も開けられていない」
「復唱拒否」
「拒否ってことは、開けられた可能性があるってことだ!
[真犯人は何らかの方法で室内に入り3人を殺害した。そのまま室内に残り、ドアが開くのを待っていた。俺たちが死体に気を取られている間に部屋から脱出した!]」
その推理は、俺がベアトリーチェに吹っ掛けたものと酷似していた。だが、それが正解なわけが無い。
楔が体に届く前に、【赤】で木っ端微塵にする。
「【死体発見時、居室内の生存者は5人である。それは、絵羽、譲治、戦人、真里亞、狼銃である。】」
「なら、既に出ていたと仮定するならば可能だ。
[真犯人はマスターキーを所持していると思われる。マスターキーを持つのは狼銃だけではない。マスターキーの数は5本。他の使用人が持っていた物を使えば、鍵のかかった部屋に侵入するのは容易い。真犯人はその鍵を用いて夏妃叔母さんたちを殺害し、ドアを施錠してその場を離れた。
これを第二の晩にも実行が可能だ。真犯人はマスターキーを用いて親父たちの部屋に入って2人を殺害した!]」
戦人の間髪入れない[青]に、敬意を持って【赤】で答える。
「【熊沢はマスターキーを所持したままである。】
【郷田はマスターキーを所持したままである。】
【紗音はマスターキーを所持したままである。】
【嘉音はマスターキーを所持したままである。】
【以上のマスターキーは、その持ち主が死してなお懐に...。】」
少しイジったとはいえ、人はこんなにも変われるものだろうか? 少なくとも、
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