暁 〜小説投稿サイト〜
戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
第十一話 南雲大尉!!本人は水雷出身だった!!その十三

[8]前話 [2]次話
「お家にはここにあるまで多くのお花はないというのに」
「心があります」
「花を生けられるお心が」
「その心があれば出来ます」
 例えだ、花が乏しい場所にいてもというのだ。
「華道は」
「左様ですか、では大尉」
「はい」
「ご武運を」
「花は偽りを述べません」
 日帝衆らしい澄んだ言葉だった。
「ですから」
「それで、ですか」
「偽りなき心はこの世で最も強いものです」
「花が不埒者達を退けてくれるのですね」
 ジャスティスカイザーのことに他ならない、何処までも人気のない彼等だ。果たして好きな人物はいるのだろうか。
「そこにある心が」
「その通りです、そして私は」
 南雲、彼自身はというと。
「その花の心を出してです」
「そのうえで、ですね」
「日帝衆に勝ちます」
 そうするというのだ。
「必ず」
「わかりました、それでは」
「はい、出陣したその時は」
「ご武運を」
 家元は優しい微笑みで南雲に告げた、そして彼の端正な気品まで漂わせているその顔を見てそしてこうしたことも言った。
「残念に思うことは」
「何でしょうか」
「私には夫がいてそして夫を愛しています」
 まずはこのことから言うのだった。
「そしてもう還暦を迎えようとしています、ですから」
「私にですか」
「若し私が娘なら」
 そう言っていい立場であり年齢ならというのだ。
「大尉を心の底から。殿方として愛していました」
「そう言って頂きますか」
「今は尊敬の念を感じています」
 その感情があるというのだ。
「軍人として、華道を共に歩まれる方として」
 その両方で、というのだ。
「私なぞ及びもつかない腕を持っておられるのですから。もう華道を極められますね」
「いえ、華道の道は果てがないです」
 南雲は家元に対し確かな声で答えた。
「ですから極めることはです」
「ありませんか」
「どの道も終わりがありません」
「ですから何処までもですか」
「私は歩いていきます」
「華道を」
「そして人の道を」
 この道もというのだ。
「進んでいきます」
「ではよき道を歩まれます様」
「そうして生きていきます」
 こう言ってだった、南雲はその場を後にしてだった。後は己の家で修行に励むのだった。あくまで私がなく澄んでいる彼だった。
 それに対してジャスティスカイザーはだ、果し状の公開を受けて決闘の場である清水寺に向かいながらだ、途中停車してたい焼き屋において親父に文句を言っていた。
「おいまけろよ」
「あと十円まけろよおっさん」
「あの十円は後でジュース買うたしにするんだよ」
「だからまけろよ」
 こう言って抗議するのだった。
 そして親父はだ、二人にこう言うのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ