暁 〜小説投稿サイト〜
ウイングマン ビッグプラススモールプラス
発端、新たなる刺客
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ってきた小柄な女子生徒に呼び止められた。
2人を見つけて声をかけてきたのは森本桃子だった。
桃子は健太と共にヒーローアクション部で活動している同級生だ。
部活で作っている健太たちオリジナルの戦隊ヒーロー=学園戦隊セイギマンのメンバーでもある。
健太がセイギマンのリーダーをやっているからなのか同級生なのに健太に対しては敬語で喋りかけてくる。
「よお、ピンク!」
健太は桃子のことをセイギマンの役柄からピンクと呼んでいる。
「どうしたんですか? 学校始まっちゃいますよ?」
学校とは反対方向に戻る健太たちを不思議に思ったのだ。
「もしかして、敵が現れたんですか?」
健太の行動からピンときて2人の後に続いた。
桃子も美紅たちと共にウイングガールズに変身し、ウイングマンをサポートしている。
先日もスノープラスと戦っていたので、ライエルに地球が狙われていることは理解していた。
「学校が今、大きな岩で封鎖されているんだよ」
健太と美紅は進むスピードを少し緩めて、桃子に状況を説明した。
「きっとライエルたちの仕業だ。きっと、また何かを仕掛けようとしてるんだ」
桃子は健太の言葉に頷いた。
「来る途中、何か変わったことはなかった?」
美紅は桃子に質問した。
桃子の家は健太たちの家から学校を挟んで反対の市街地側、まさに進行方向にあった。
何もなければルート変更も考える必要がある。
「そうねえ……別に何もなかったような気はするんだけど……」
自信なさげに桃子が答えたのは登校中の景色をあまり気にしていなかったからだった。
中学3年生、桃子はまさに受験の直前だ。
成績優秀というわけではない桃子としては登校中は大事な勉強タイムなのだ。単語帳に集中していたとしても誰に責められようか。
「勉強しながら来たから、ちゃんとは見てなかったの……」
桃子にしても通学路で登校の邪魔になっていればさすがに気づくだろう。しかし、脇道だったらいくら人だかりがあっても気づかない可能性も高い。
「じゃあ、脇道を気にしながら、駅まで行ってみよう」
健太はそう言うと走り出した。

少しばかり戻ったところで、十字路の先に人だかりが見えた。
3人はとりあえずそこを見に行ってみた。
「え〜っ!? なに、これっ!?」
桃子は驚いて思わず声を上げた。
しかし、健太と美紅には予想通りの光景だった。
塀が大岩に押しつぶされたお屋敷がそこにはあった。
「やっぱり、こんなことができるのはライエルたちに違いない!」
健太は確信した。
岩は思いのほか頑丈そうでちょっとやそっとでは崩れるようには思えない。
「これなら危険はなさそうね」
美紅はざっと岩やその周りの様子を確認してみた。
野次馬も少ないし警察もやってきた。これならここで被害がこれ以上大きくなることは
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