発端、新たなる刺客
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、登校の時間もそれに伴ってだんだんと早くなっていった。
気がつけば、朝練もないのにかなり早くに登校するという、遅刻とは無縁の優良な生徒になっていたのだった。
「随分とこの辺りも静かになったね」
人通りも少ない通学路をゆっくり歩きながら美紅が言った。
もともとは今の時間には人通りも少ない通りだった。しかし、先日のスノープラスとの戦いで氷漬けになったこの街は、異常気象ということでテレビにも多く取り上げられていた。
そのためにこの街一帯はちょっとした話題のスポットだったのだ。
あれから数日が経ち、ようやくワイドショーなどでも取り上げられることもなくなり、この辺りも平穏を取り戻してきたのだった。
「確かにね……」
そう言った健太の顔は浮かない表情を浮かべていた。
できるなら無関係の人を巻き込みたくはないと思っていた。
だから、本来ならば物見遊山の人が減ったこと自体は歓迎すべきことだった。
しかしその一方で、メディアがあることがライエルたちの侵攻に対して、少なからず抑止力にもなっているような気もしていた。
現段階では、調査目的ということもあるのだろうが、プラス怪人たちは比較的に秘密裏にことを進めているように感じる。
大都市圏ではなくこんな地方都市から侵略をスタートさせていることもそうだし、侵略というには規模が限定的すぎる。
「でも――」
この感覚が間違いでないのなら、メディアの喧騒が落ち着いてきた今、ライエルたちはそろそろ次の一手を送り込んでくるような気がしていた。
「いつライエルたちが攻撃をしかけてくるかわからないし、気が抜けないよ」
そう言って健太は空を見上げた。
2人が通う仲額中学校の近くにやってくると、校門の前に人だかりができているのが見えた。
「あれ? 何かしら……」
最初に気づいたのは美紅だった。
しかし、動いたのは健太だった。
「ちょっと見てくる」
健太は1人、駆け足で人だかりの様子を見に行った。
人波をかき分けると校門が巨大な岩で封鎖されていたのだった。
これでは歩いて学校に入ることができない。
塀を乗り越えて校内に入ることはできるし、実際、そうやって入ろうとする生徒もいたが、先生に注意されてそれもできなくなっていた。
朝早いのでそれほど多くはなかったが、校内に入れなかった生徒たちは校門の外で待つしかなく、人だかりになっていたのだ。
「広野君、これは一体……」
一足遅れて健太に追いついた美紅が声をかけた。
「こんなことできるのはヤツらしかいない。きっとラライエルたちの仕業だよ」
健太の言葉に美紅は深くうなずいた。
「街の様子を見に行こう」
健太と美紅と学校を通り越して、市街地の方に向かって走り始めた。
2.
「リーダーっ!」
少し行ったところで健太は反対側からや
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