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ウイングマン ビッグプラススモールプラス
発端、新たなる刺客
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■ 発端

1.
「コウモリプラスに続いてスノープラスまでやられたか……」
バルドはヴィムに言った。
バルドはライエルの腹心で、地球侵略のトップとして作戦指揮を任されていた。
「ウイングマンとは一体何者なの?」
ヴィムはプラス怪人を開発する研究者にして、バルドの作戦参謀でもあった。
全体が白に統一された空間で2人は地球侵略に関して話し合っていた。
ここは会議を行う空間だ。
セキュリティがしっかりしているため、他人が侵入してくることはない。
安心して秘密事項を話すことができるのだが、椅子以外何もなく、殺風景この上ない。
必要なものは状況に応じて別空間から転移して現れる。
ヴィムはバルドが収集したウイングマンのデータを取り出した。
何もない空間にウイングマンの3Dフォログラム映像とデータが現れた。
ヴィムはそれを読み取りながら不満そうな顔をした。
「わかっているのはそれだけだ」
取り出されたデータはバルド自らが、ウイングマンの仲間と思しき布沢久美子と接触することで得た情報だった。
ヴィム自身もコウモリプラスやスノープラスの戦いで情報を得ていたが、仲間からの情報というのは興味深かった。
しかし、ヴィムがプラス怪人を通して得た情報とバルドの久美子から得た情報ではウイングマンの実力はあまりにも異なっていた。
久美子の情報から判断すれば、ウイングマンはコウモリプラスたちがやられるような相手ではなかった。久美子が嘘をついているのか、情報が古いのか、それとも久美子に見る目がなかったのか。
「もう少し、ちゃんと情報を集めないといけないわね」
ヴィムはため息をつくとそう言った。
「何か策はあるのか?」
バルドはヴィムの考えを尋ねた。
「兄弟を使います」
ヴィムの答えにバルドは納得しかねる表情を見せた。
「あんなんで勝てるのか?」
バルドはヴィムが使おうとしているプラス怪人の実力を疑問視していた。
「どうかしら……」
もちろん、ヴィム自身もバルドの評価はわかっていたが考えがあった。
「でも面白いことはできると思うけど」。
そう言って不敵に笑った。


その日は雲ひとつないいい天気だった。
いつものように健太は美紅と一緒に登校していた。

早起きをして、体力アップのために街中をランニングをする。
それはもう1年半も続いている2人の習慣だ。
リメルを倒して日常が落ち着いてからは、ちょっとしたパトロールも兼ねていた。
ランニングを終えて各々の家に戻るとその日の授業の準備をした後、もう一度待ち合わせて一緒に登校していた。
もともと正義の味方として遅刻するわけにはいかないということで、待ち合わせの時間も早めに設定してランニングの時間を決めていたのだが、続けていくうちに走るスピードもだんだんと速くなっていって
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