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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第140話 呂岱士官する
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い物ねだりね」

 孫権は嘆息して甘寧との会話を終え歩き始めた。彼女の態度から南陽郡での文官人材の士官は芳しくないことが伺えた。



 孫権と甘寧が下町を抜けようとすると彼女達に向かって機嫌の悪そうな表情をした人物が二人こちらに向かってきた。二人は冥琳と泉であった。特に泉は今にも切れそうな表情であった。冥琳は普段通りの胸元が開いた服装だったが、泉は何時もつけている銀色の軍装を脱ぎ、一般的な士大夫が身につける漢服を着衣し獲物の銀槍を持っていた。孫権と甘寧は二人の雰囲気に気圧され道の端に移動し、彼女達が通り過ぎるのを傍観した。冥琳と泉は孫権と甘寧に一瞥するも直ぐに前を向き、孫権と甘寧が先程来た道に進んでいった。

「あの二人は何者でしょう?」
「わからないわ。服装を見る限り裕福そうだったわね。この先に住んでいるなんてないわね。もしかして、あの店に用事でもあるのかしら?」

 孫権は冥琳と泉の後ろ姿を眺めて半信半疑に言った。

「あの店主、実は大物なのではないでしょうか?」
「そうなのかしら。思春、あの店に戻ってみましょう。仲良くなれば、もしかしたら文官の知り合いを紹介してもらえるかもしれないわね」

 蓮華は藁をも縋る気持ちなのか思春の言葉に陽気な表情を浮かべた。

「わかりました。蓮華様、戻りましょ」
「思春、あの二人は機嫌が凄く悪そうだったからくれぐれも気をつけて頂戴ね」

 孫権は甘寧の表情を真剣な顔で伺った。甘寧も孫権の言葉に無言で頷いた。



 孫権と甘寧が海陵酒家に戻ると店の中から怒鳴り声が聞こえてきた。孫権は店に入る雰囲気でないと店の中を伺うために声の聞こえる壁に抜き足差し足で近づいて行った。そして、店内にいる人間から気づかれないように窓に顔を近づけ店内を覗いた。思春は孫権が覗く場所の左隣に移動して孫権と同じく中を伺った。

「貴様! 正宗様をこのような小汚い店でこき使うとは何事だ!」

 泉が呂岱に烈火の如く顔を紅くして怒鳴っていた。冥琳も同じく呂岱に罵声を浴びせていた。孫権と甘寧は二人が呂岱の何に対して激怒しているのかわからず戸惑っている様子だった。

「正礼が自ら働くと言ったんだから外野がとやかくいうことじゃないだろ」

 呂岱は冥琳と泉の言葉など意に介していないようだった。孫権と甘寧は両者の会話から揉め事の原因が「正宗」、「正礼」という人物にあるとわかった。そして、「正宗」と「正礼」は同一人物であるということも。

「正宗様」

 おろおろと不安気な表情で愛紗が正宗に声をかけた。正宗はどうしたものか困った表情を浮かべていた。孫権と甘寧は自分達を応対した愛紗が側にいる男のことを「正宗」と呼ぶのを聞いた。すると甘寧は正宗を見て驚いた表情に変わった。

「蓮華様、私
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