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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第140話 呂岱士官する
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言った。

「あんたの共の者も店で働くんだよね」

 燕璃は孫権から平伏したままの甘寧に視線を向けた。

「はい! 思春も一緒にお願いします」
「その子の名前は何て言うんだい」

 燕璃は甘寧の名を知りながらも敢えて聞いた。

「彼女は甘興覇といいます。思春」

 孫権は甘寧の名前を燕璃に告げ、甘寧に声を掛けた。甘寧は顔を上げ立ち上がると気が乗らない表情ながらも燕璃に小さい声で「よろしく頼みます」と言った。

「二人のことは何て呼べばいいんだい」
「仲謀、興覇で構いません」
「そうかい。仲謀、興覇。短い期間だけどよろしく頼むよ」

「燕璃、ちょっと待て。どういうつもりだ」

 黙って成り行きを見ていた正宗は燕璃に言った。

「どうも何も二人を雇います」
「何故、二人も雇うのだ。甘興覇がどういう人物か知っているのか?」
「正宗様、雇うことを一任されたではありませんか。甘興覇のことは何も知りませんが何か問題でも」
「問題は十分ある。甘興覇、お前は劉益州牧に命を狙われるているであろう。この荊州は益州の隣州であるため生きた心地はせんのではないか? 我が家臣となる燕璃が劉益州牧より勘気を被るかもしれんのを見過ごすことはできない」

 燕璃に真面目な表情で答えた正宗は甘寧を険しい表情で見た。甘寧は正宗の言葉に気まずい表情を浮かべた。その様子を黙ってみていた見ていた燕璃は口を開く。

「正宗様は益州牧を恐れておられるのですか?」
「燕璃、私を挑発しても無駄だぞ。何故に私が甘興覇のために火中の栗を拾わねばならない。この者の問題は主人である孫文台が解決すべき問題だ」
「正宗様、何故孫家に縁のある者を毛嫌いするかは承知しません。たかだか三週間働かせるだけです。その程度目くじらを立てる程のことではないと思われませんか?」

 正宗は燕璃の言葉に黙った。



「勝手にしろ。冥琳、泉、そういうことだ。もうしばらくここで働くことになった」

 正宗は燕璃に憮然とした表情で向けた後、冥琳に言った。

「はぁ、もうとやかく申しません。ですが、身分はしっかりとお隠しくださいね」

 冥琳は溜息をつきながら言った。

「呂定公と申したな?」

 冥琳は正宗と話した後、燕璃に視線を向け言った。冥琳は機嫌の悪そうな表情だった。

「はい」

 呂定公は返事しした。

「正宗様のことは任せたぞ。何かあれば死を持って償ってもらうぞ」

 冥琳は厳しい表情で威厳に満ちた口調で言った。

「承知しています」

 燕璃は冥琳に真面目に答えた。何時もの飄々とした態度はない。
 正宗と愛紗に続き、孫権と甘寧が海陵酒家で働くことになった。
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