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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第140話 呂岱士官する
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士官が絶望的になってしまうわ」
「事情を知らなかったとはいえ、蓮華様の御心を煩わしてしまいすみませんでした」

 甘寧は孫権に頭を下げた。

「思春が謝ることでないわ。分かってくれればいいの」

 孫権は笑みを浮かべ甘寧に優しく言った。

「でも、さっきのお店の料理は美味しかったわね」
「はい下町で評判だっただけのことはありました」
「ちょっと行きづらい場所にあるのは困りどころね」

 孫権は爽やかな笑みを浮かべ言った。

「では今晩も行かれますか?」
「大丈夫かしら?」

 甘寧の言葉に孫権は困ったような表情を浮かべた。

「私達に気づいたということは次行ったら嫌がられるんじゃないのかなと思って」

 孫権は本音を甘寧に吐露した。

「そのようなことはないでしょう。店を出る時も店員の女は気にしている表情をしていませんでした。それに店主らしき人物はかなりの武人と見定めました」

 甘寧は淡々と意見を孫権に述べた。孫権は甘寧の話を聞きながら段々と柔和な表情になった。

「あの店主らしき女性が武人ね。文官なら嬉しかったのに」

 孫権は進行方向を憂鬱そうな表情で眺めた。甘寧は孫権の言葉に反応せず、孫権の一歩後ろからついてきていた。

「文官は必要なのでしょうか?」
「思春、『文官が必要なのか』ではなく、私達は文官が圧倒的に少ないの。今は私一人で切り盛りしているのよ。私が南陽郡にいる間にも日々仕事が処理されることなく山積みになっていくわ。何が何でも文官の士官を成約させないと」

 孫権は悲痛な表情を浮かべ空を仰ぐ。甘寧は孫権の様子を心配そうに眺めていた。

「文官とはどこにいるものなのでしょうか?」

 甘寧は思わず孫権に尋ねた。孫権は空を仰ぐのを止め、甘寧に視線を向けた。

「わからない。劉荊州牧なら文官が幾らでも士官してくるでしょうね」

 甘寧は孫権の言葉が理解できないようだった。彼女の主である孫堅は劉表に比べれば見劣りするものの、彼女はれっきとした一郡を任せられた太守である。甘寧は太守である孫堅に士官することを避ける文官がいるのだろうかと思っているのかもしれない。

「文官の多くは教養のある士大夫。偶に士大夫じゃない市井の者もいるにはいるけど、そんな人物と出会うなんて天の配剤だわ。士大夫は名声を重視するものなの。だから、風評の悪い人物にはできるだけ士官したくないの。それに母上は軍人気質だから何かにつけて荒っぽくて文官と相性が悪くて」
「炎蓮様も太守です。名声は十分かと」
「士大夫がそう思っていないから私が文官探しの旅に出ているの。この話はもう止めましょ。文官を探すのは無理な気がしてきた。せめて名士の伝手でもあれば、その人物に紹介ということでどうにかなるんだけど。無
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