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FOOLのアルカニスト
雷鋼の目的
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型?そんなもん問題とならんわ。儂は仙術を極めとるんじゃぞ。そんなものいくらでも誤魔化せるわい。知りたかったのは、魂とお前の力の根源じゃ」

 「魂と根源?」

 「そう、必要じゃった。お前が前世持ちであることは聞いておったからな。神魔の転生体じゃ、儂の目的にはそぐわぬからのう。広坊は違うと言っておったが、あ奴は半端者ゆえ甘い。下手をしなくても、お前の言をそのまま信じていそうじゃからの。はっきり言って、信用できん。実際には、転生体というよりは、憑依とも言うべきもののようじゃったがな……。まあ、結果的に成り代わっている以上、転生と言っていいのかもしれんがのう」

 「成り代わっただと!」

 透真にとって、大きな傷となっている出来事である。反射的に頭に血が上る。

 「ふん、結果的にというたじゃろうが。それに、お前が望まなかったにせよ、客観的に見ればその通りじゃろう。図星を突かれたからと言って、一々喚くでないわ」

 「くっ、あんたに何がわかる!」

 「分かるはずなかろう。分かりたくもないわ。大体、他者の心の中など、誰にも理解できぬものだ。お前が、トウヤの気持ちを分かりかねたようにな」

 「……」

 未だにトウヤの真意がどこにあったのか透真には理解出来ない。ペルソナが必要だったにしても、トウヤがペルソナになる必要はなかった。二人でいたいというならば、トウヤの代わりに己がペルソナになれば良かったのだから。なぜ、何の相談もなく、己を犠牲にする道を選んだのか、疑問でしょうがない。トウヤの真意が、現実からの逃避、悲惨すぎる人生からの逃亡であったことなど夢にも思っていないのであった。ゆえに透真には、口を噤むことしかできない。

 「ふん、言葉もないか。話を続けるぞ。
 結果、儂はお前が目的にそう素体であることを認めたのじゃ。その上で、儂は前準備として、儂の血を輸血した。幸い、血液型は同じじゃったしのう。余計な手間はかけずにすんだかららくなものじゃったわい。お前は覚えておるか?最初に課した課題の後に己がいつ目覚めたのか?」

 「翌日じゃないのかよ?」

 「違うな、お前が目覚めたのは四日後よ。すなわち、お前は3日間眠っていたのだ」

 「どういうことだよ?確かに重症は負っていたが、致命傷はなかったはずだし、仮に死んだとしても、魔法で蘇生させるはずだろ。いくら最初だからといって、あんたが3日も俺を寝るだけにしておくとは思えないんだが……」

 「言ったであろう、前準備として儂の血を輸血したと。約1000年間に研鑽し限界まで鍛えあげられた『鬼斬り』の血を、常人が受け容れてただで済むわけがあるまい。お前は三日三晩自身の肉体と魂の拒絶反応で苦しみ抜いた挙句、一日かけて我が血を己がものとしたのだ」

 「なんだって
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