第四章 誓約の水精霊
幕間 白妙菊
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
苦しみ……
悲しみ……
それは……
ある男が今まで感じてきた……
耐えてきた感情……
それの小さな欠片……
しかし、それでも……それは……
「痛い……です」
思わず蹲る程の痛みを伴っていた
「辛い……です」
止めれない程の涙が流れるほどの辛さがあった
「苦しい……です」
息が出来ない程の苦しみがあった
「シロウ……さん」
顔を上げ、背中を向ける男を見つめる
「……痛かったんですね」
男を見つめる瞳からは涙が流れている
「……辛かったんですね」
震えながらも、ゆっくりと立ち上がる
「……苦しかったんですね」
ゆっくりと男に顔を向ける
「……シロウさん」
丘に立つ男に向かって両手を広げる
「シロウさん」
気を抜けば倒れ込みそうになる身体を、気力だけで支え
「もっと、寄りかかってきても――」
優しく笑いかける
「――大丈夫ですよ」
花のような笑みが浮かべると
背後で小さな黄色い花が
花を咲かせた
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ