第百九十七話
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第百九十七話 手入れも終わって
華奈子と美奈子はそれぞれのサックス、そしてフルートを一旦分解までしてそうして徹底的にチェックしてだった。
そうしてだ、こう二人で話した。
「異常はね」
「なかったわね」
「ええ、あたしのサックスも」
「私のフルートも」
そのどちらもというのだ。
「無事にね」
「だからね」
それで、というのだ。
「これでね」
「何時でもライブ出来るわね」
「もう皆もね」
他のメンバーもとだ、美奈子は微笑んで言った。
「準備出来てる筈よ」
「皆しっかりしてるからね」
「こと音楽のことに関してはね」
「むしろあたしが、よね」
華奈子は少し苦笑いになって言った。
「一番ね」
「駄目だっていうの?」
「駄目っていうか適当っていうか」
「華奈子は普通位よ」
美奈子は微笑んで華奈子に言った。
「その辺りはね」
「だといいけれど」
「結構サックス手入れしてるでしょ」
「あたしピカピカのサックス好きなの」
つまり金色に光るサックスが好きなのだ。
「だからね」
「結構手入れしてるのね」
「特に磨くことが好きよ」
「それがいいのよ」
「だといいけれどね」
「ええ、華奈子は充分よ」
「まあ美奈子程じゃないけれどね」
多少の謙遜をだ、華奈子はまた言った。
「美奈子時間あったらフルート手入れしてるじゃない」
「別にそこまでは」
「あたしよりずっとじゃない」
「吹いた時だけよ」
あくまでその時だけだとだ、美奈子は華奈子に断った。
「いつもじゃないわよ」
「あっ、そうなの」
「そう、吹いた後にね」
「手入れしてるだけ」
「あくまでそれだけよ」
「そうだったのね」
「いつもじゃないわよ」
このことは断るのだった、そうした話をしながら華奈子と美奈子は手入れをしたそれぞれの楽器を収めてライブに向かうのだった。
第百九十七話 完
2014・12・26
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