第四幕その四
[8]前話 [2]次話
「先生やっぱり今日も」
「今日も?」
「はい、寝る前にはですよね」
「うん、歯は磨くよ」
このことは忘れないというのです。
「そうして寝るよ」
「それは忘れてはいけないですね」
「絶対にね」
これが先生の返事でした。
「忘れたらね」
「虫歯や歯槽膿漏になって」
「よくないからね」
「寝ている間が一番危ないんですよね」
「そうだよ、だから寝る前には絶対に歯を磨いて」
そして、と言う先生でした。
「朝御飯の後もね」
「歯を磨くんですね」
「流石に毎食後とはいかないけれど」
先生でもです、そこまではです。
「けれどね」
「歯磨きは欠かしてはいけないですね」
「絶対にね、それで今思ったことだけれど」
「動物園の皆ですね」
「うん、本当に不思議な位虫歯が多くて」
しかも、というのです。
「その虫歯が酷いね」
「本当にそうですね」
「全く以てだよ」
「お菓子が原因であることはわかりましたね」
「うん、かなり甘いね」
先生もこうトミーに答えます。
「糖分が異常に多い」
「そのお菓子を皆が食べたから」
「あそこまでの虫歯になったんだけれど」
「皆驚く位甘いって言ってますよね」
そこで糖分の多さがわかったのです。
「そうですよね」
「うん、市販じゃないね」
「市販じゃないんですか」
「市販のお菓子は甘さに限りがあるからね」
「その限度を超えた甘さなんですね」
「今そのお菓子の食べカスを採取したから」
動物達のお口の中からです。
「そうしてね」
「そのお菓子を調べるんですね」
「そうすればわかるよ」
「そのお菓子のことが」
「どういったものかね」
こう王子にお話するのでした。
「そのこともね」
「それで誰が作ったかは」
「ううん、それはどうして調べるかだけれど」
それはとです、ここで先生は西瓜を食べるのを止めてトミーに言いました。その言うことはどういったことかといいますと。
「やっぱり動物園で起こっていることだから」
「動物園に出入りしている人がですね」
「お菓子をあげていることは間違いないよ」
「問題はそれが誰かですね」
「そう、そのことだよ」
「市販のお菓子じゃないとなりますと」
「手作りだね」
このこともわかることでした。
「そうなるけれど」
「異常に甘いんですよね」
「その甘さがどんなことかも知る必要があるかな」
考えるお顔で話した先生でした。
「お菓子を作ってもらって」
「誰かにですか」
「そうしようかな」
「じゃあ僕が作りましょうか」
トミーはここで自分から名乗り出ました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ