空白期 中学編 04 「お嬢様? 達のお茶会」
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入学式が終わってから早くも1週間が経過しつつある。
卒業まで通うつもりでいる我にとっては、まだまだ始まったばかりの学校生活であるが……正直に言って3年通える自信は日に日になくなりつつある。
「はぁ……」
「ディアーチェ、ため息を吐いていては幸せが逃げますよ」
淡々と紅茶を飲みながら言ったのは、我の古くからの友であるシュテルだ。確かにこの世界には今彼女が口にしたような言葉があるようだが、ため息というのは幸せではないから出るのではないかと思ってしまう。
「シュテル、今は大目に見てあげなさいよ。今ディアーチェは毎日大変なんだから。ねぇすずか?」
「そうだね。休み時間とか……下手したら授業中も頑張ってるみたいだし」
アリサにすずかよ、貴様達のような苦労を理解してくれる者が居てくれて我は嬉しいぞ。一方で、どうしてあのうつけと知り合いなのだとも思ってしまうが。
まったく、どうして小鴉はああなのだ。車椅子に乗っていたときのほうがマシではないか……いや、自分の足で歩けるようになったことはいいことなのだが。あやつの過去についてはそれなりに聞いておるし。
「ほんと大変よね。はやてにはからかわれてるみたいだし、はやてとの関係をクラスメイトには聞かれてそうだし、担任の先生もそのへんに容赦なく切り込んできてるみたいだし」
「うん。はやてちゃんにディアーチェちゃん、篠原先生の元気なやりとりを聞かなかった日は今のところないもんね」
そうなのだ。小鴉はまあ昔からああであったし、クラスメイト達が我と小鴉の関係を気にするのも分からなくもない。あのショウでさえ、最初は我を見て驚いておったのだから……まあ今では我のことは我ととしか見ておらんようだが。
いや、今はあやつのことはどうでも良いではないか。
大体何なのだあの担任は。場の和ませるためにボケたりする教師はいてもおかしくないが、あの方はどう考えても常識から外れておるように思えるぞ。仮に我と小鴉が訳ありの姉妹だったとして、普通はそこに簡単に触れてくるものではなかろうに。
……それにしても、前からディアーチェでよいと言っておるのに一向にちゃん付けか。まあ別に今のままでも良いのだが……。
「どうやらディアーチェは楽しく生活を送っているようですね」
「どこをどう取ったらそうなるのだ!」
どう考えても我が苦労しておるといった話であったであろうが。
シュテル、どうして貴様はそうなのだ。というか、いつまで優雅に茶を飲んでおる。会話するつもりなら、いったん置かぬか。
「どこを、と言われましても……賑やかそうにしている光景が浮かびましたので。逆に聞きますが、ディアーチェは全く楽しくないのですか?」
「そ、それは……」
……全く楽しくないわけなかろう。
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