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魔法薬を好きなように
第30話 敗戦か
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どちらにしても、あの魔法兵器がつきたのと、シティオブサウスゴータへの進軍が遅かったのが、敗因だろうなぁ。少なくともシティオブサウスゴータへの進軍が早ければ、首都ロンディニウムへ攻撃はしかけることはできただろう」

「負け戦というのは、こういうものですよ」

「負け戦に参戦したのは、初めてでね。それにしても、王軍が脱出するには、半日から1日ぐらいはたりなさそうだな」

「そこは、王軍におこなってもらうべき内容でしょう」

「確かになぁ。あとは敗戦後、トリステインがどうなるかと自領がどうなるかってのは、親父が頭を悩ますところだろうなぁ」

副官は自城の衛兵だけあって、このことに関しては答えなかった。



トリステインへの帰国は満員の空船だったが、トリステインに降りてからは、まずはこれだけの船を一度におろすには、海となる。それで王軍の司令部との連絡がつかなくなり、海辺で自領への引きあげ準備をさせていたら、司令部からは意外な通達がきた。

「なに、アルビオン軍が降伏したって?」

「はい。ガリアの参戦で、100隻あまりの艦隊からの一斉砲撃で、首都ロンディニウムを制圧したそうです」

「100隻か?」

「そう、通達がきております」

「わかった。そうしたら、俺たちの役割は終わりだ。領へ帰れるぞ。皆に伝令してくれ」

「わかりました」

通達をうけとっていた副官が、農民兵たちに帰ることを伝えている。そこは、それであとは副官だけで、領地に戻らせて問題ないだろう。そのあとの戦争への参加の褒美とかは、親父とか代官の役割だ。

こうして、アルビオンでの作戦は、『アンドバリ』の指輪をどうやって、水の精霊に返すかだけを残して終わった。
これからは、連絡のとれていないティファンヌのことだ。

どっちにしろ、首都トリスタニアの家によって、親父にあうのが最初だろうな。兄貴とは会うかどうか、あいかわらずわからないが。



農民兵たちと途中までは一緒に行動をともにしていたが、アミアン領とトリスタニアへの分かれ道でみなとわかれることにした。まあ、衛兵はともかく、あの農民兵たちと会うことは無いだろう。そうではあるが、所詮はあととりではない息子と、戦争までは交流がなかった農民とは、すでにあいさつを出発時にしてあるので、別れは簡単だった。

トリスタニアの家にもどったところ、メイドが一瞬驚いたようだが、すぐ表情をとりつくろって

「お戻りなさいませ。ご無事で何よりです」

「そんなに危険なところにいなかったからね。それよりも親父か、兄貴でもいるかい?」

「本日は平日ですので、いつもの通りに、宮廷で仕事をしています」

「そうしたら、ティファンヌ・ベレッタのことを知っているかい?」

「旦那様なら
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