第13話 喰らい合う人外たち
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これでカナちゃんの応急処置は終わりました。後は彼女を病院までお願いします」
そしてカナを病院へ連れて行く者は警備委員の1人…黄泉川愛穂が提案した
「それなら私らが連れて行くじゃん。だからお前らも…」
黄泉川は“ここから先は更に血が流れる”…そう感じ取っているために学生…子供たちを安全な場所へ避難させたいのだ。しかし千鶴は黄泉川の案に首を縦に振らなかった
「私はここに残ります」
千鶴の…彼女のこの言葉には警備委員だけではなく、上条や美琴も驚きを隠せなかった
「何言ってるんだ雪村!!今ここでお前が出来る事なんて…!」
「そうです!ここは私と当麻に任せて千鶴さんは…!」
上条と美琴が千鶴を何とか説得しようとするが千鶴は静かに微笑んで断った
「今この場に私以外の医者がいません。鵜堂さんとの戦いでケガ人、下手をすると死者が出る可能性もあります。だからこそ、私は此処に居なくてはいけません」
警備委員たちは千鶴の目にある“モノ”が宿っていることを感じた。
彼女の目には途轍もなく重い覚悟が宿っている。決死の覚悟と生きる覚悟が宿っている
しかし此処で警備委員の1人であり、黄泉川の後輩に当たる鉄装綴里が反論する
「だからって!貴女はまだ子供です!此処は私たち警備委員に任せて、貴女は早く安全な所に…」
しかし鉄装の説得は千鶴には効かなかった。それどころか彼女の表情は先程まで穏やかな優しい笑顔だったが今はまるで邪魔をするなと言わんばかりの鬼の形相に変わっていた
「私は土方さんの小姓として仕えて来ました!そしてあの人の傍に居る!それは今も変わりません!!」
「!!」
彼女の迫力に鉄装はただ黙るしかなかった。千鶴は更にこう言い放った
「私はあの人にこう言われました。『お前はこれからも傍に居ろ。逃げようとしたって離さねぇから、覚悟しとけ』と…私が離れる時は、私が死ぬときだけ!だから…これだけは絶対に譲れません!」
千鶴の覚悟に鉄装だけではなく、黄泉川も圧倒された。今時の少女とは思えない覚悟だと思うほどだった
「お前、雪村とか言ったじゃん?なんで其処まで土方先生にこだわるじゃん?」
黄泉川の質問に千鶴はいつもの優しい笑顔に戻り、何の迷いもなく言い放った
「土方さんは…私の愛する人だからです」
その言葉に警備委員だけではなく、上条も美琴も口をポカンと開いてしばらく塞がらなかった。しかしその沈黙を破ったのは黄泉川だった
「……ぷっ…………あっはっはっはっはっはっは!!いいじゃん!アンタのその一
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