マブラヴ
0876話
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実際、人類初のハイヴ攻略に成功したと言っても、所詮は数ヶ月前に出来たばかりのフェイズ2ハイヴだ。世界中にはまだ19個ものハイヴがあるというのに、ここで足踏みをするような余裕はまだ無いと思うんだが。
だが、ビルは表情を殆ど変えずに説明を続ける。
『確かにシャドウミラーだけでハイヴ攻略をしたのは、もの凄い偉業だ。だが……それは君達だからこそだろう? 今回の君達のハイヴ攻略戦を見て、自分達も戦術機だけでハイヴ攻略を出来ると他の国々が思ってしまったら……更に、それを実行してしまったら、恐らくその国は大きなダメージを受けるだろう。それこそ、国力の回復が難しくなる程に』
……なるほど、言っている事はまぁ、分からないでもない。
事実、現在この世界で広まっているガン・ルゥやリニアガン・タンクにしても、基本的には後方からの援護射撃がメインの機体だ。それを思えばハイヴ突入にそれらの機体を使う訳にはいかないしな。
だが、本音は他にあると見た。
恐らくビルとしては……正確にはアメリカ政府としては、俺達シャドウミラーがここまで簡単にハイヴを攻略するとは思わなかったのだろう。
この世界の住人が今までハイヴ攻略に失敗してきた経験から当て嵌め、ハイヴ攻略そのものが失敗するか、あるいは成功するにしてもかなりの被害を受けての成功になると思っていた。
そうして、俺達を見て戦術機でのハイヴ攻略はシャドウミラーですらも失敗した。それ故にG弾をメインにしたハイヴ攻略を前面に押し出す。即ち、オルタネイティブ5だ。
それは俺の邪推のしすぎか? まぁ、ともあれ……
「そちらの話は覚えておこう」
そう、あくまでも話を覚えておくだけだ。
だが、俺達の立場はあくまでも傭兵。どこかの国からハイヴ攻略を要請され、更に相応の報酬が支払われるのならハイヴ攻略は引き受けるだろう。
今回はあくまでもハイヴ攻略の予行演習という形である以上、韓国や大東亜連合からの報酬は貰えないが……まぁ、反応炉や母艦級といった新種のBETAを確保出来ただけで十分な報酬だ。
この辺は補給にキブツが使えるおかげで金が掛からない、俺達シャドウミラーの圧倒的に有利な部分だよな。
「とにかく、通信を一旦切るぞ。ハイヴ攻略に成功したとは言っても、まだ逃げ出したBETAの処理とかが残っているからな」
『そうだな、頼むよ。……アクセル、私個人としてはハイヴ攻略を非常に嬉しく思っているとだけ伝えておく』
「ああ、分かったよ」
短くそれだけを告げ、通信を切る。
人類史上初めてハイヴ攻略をしたというのに……いや。だからこそ、か。
今この時点で連絡をしてきたという事は、つまりはそういう事なのだろう。
恐らくはアメリカのオルタ4派、あるいは反オルタ5派辺りが俺達の行動を見て
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