暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第二十三話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「は?」

 あの小憎たらしい《鼠》の顔が脳内でフラッシュバックした後、リズを押しのけいきなり老店主が問いかけてきた。

「は……いや、他の店に行こうかと……?」

「違います違います、その前です」

 その前……?
あのネズミ面を脳内から押し出し、つい先程の自分の言葉を思いだす。

「『どれもこれもたたっ斬った覚えもある』って言ってたわよ、あんた」


 呆れ顔のリズに言われ、先程の自分の言葉を思いだす。
……そういえばそんなことを言ったか。

「はい、その腕を見込んで是非ともお願いが……」

 お願い、という老店主の頭上に金色のクエスチョンマークが点灯した。
一時的にパーティーを組むことになっているリズにも、そのマークは見えたようで、俺の横から少し身を寄せて聞いてくる。

「これって、《クエスト》よね?」

「ああ。十中八九そうだな」

 クエスト。
この浮遊城《アインクラッド》に用意されているもので、内容はお使いや何かの護衛、特定モンスターの討伐など多岐に渡る。
クエストの条件になっているNPCの大体はその場からあまり動かず、何か困っているところを声をかけることで発生する……この老店主のように、例外はあるが。

「お願いとは何でしょう?」

 クエストには手慣れた俺の言葉に、老店主のクエスチョンマークが点滅し始めた。
クエストについての説明が入る合図だ。

「実は、数ヶ月前にいきなり、この店に《転移門》が出現しましてな」


「転移門?」

 転移門とはもちろん、各層の入口にあるワープポイントである。
層を指定することによって、解放してある層ならばどこにも瞬時に……って、今更説明することでもないな。

「分からないのも無理はありません、こちらへ」

 俺たちが首を捻っているのを見て取ってか、老店主は先程まで自分がいたカウンターの裏側にあった扉の元へ、俺たちを案内した。

 そして、その扉を開けた先に。

「――転移門」

 確かに転移門であった。
この小屋ともとれる店に入っているため、本物よりは幾分かは小型だが。

「そして、この転移門を起動させると、何やら草原のような場所に飛ばされまして……そして、目の前には巨大なダンジョンがありました……お願いします。このダンジョンを攻略してくれませんでしょうか……このままでは、いつモンスターが街に来るか……」

 草原のような場所に飛ばされ、目の前のダンジョンを攻略するクエスト……危険はあるが、(もしかしたら)未だに未踏の地であるダンジョンを、一番乗りで攻略出来るかもしれない……
そして、レアダンジョンにはそれ相応のレアモンスター、レアアイテムがあるのだ。

 ナイスな展開じゃないか……!


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ