鬼神
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『あれは、相当ヤバイね・・・』
シオンから借りたグラスをかけて戦況を見届けているアリアは今のシオンに僅かながら恐怖を覚えた。
『恐れてはいたことだけど、まさかここまでとはねぇ』
アリアはシオンの話を聞いたとき鬼神のことを聞いていた。
『もし俺が我を忘れるほどの衝動にかられたとき、その時はアリア、お前が俺を射て』
「と、言われてもねぇ・・・」
遥か先で素手で一つで殺り合っているシオンを容易に射てるわけがない。
「この距離でもかわしてくるだろうしね・・・」
だが、やるしかない。そう思い、アリアは渋々先程捨てたライフルとは別のライフルを取り出した。
しかしその時───
「えっ・・・」
アリアは状況の異変に気づいた。
「シオンの動きが止まった・・・?」
アリアが見たもの、それは拳を途中で止め、突如動きを停止したシオンの姿だった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
暗い───
怖い───
ここは、何処だ───?
俺は、何を、しているんだ───?
コロセ───
『やめろ・・・』
喰イコロセ───
『やめるんだ・・・』
力デネジ伏セロ───
『俺は・・・』
目ノ前ノ敵ヲ───殲滅シロッ!
『やめろ・・・!』
コロセ、喰イコロセ!
血ヲ、肉ヲ、俺二喰ワセロ!!!
「やめろぉおおおおおッ!!!!!」
『シオン!』
「ッ!」
『お願い、戻ってきて!!』
「この声は・・・」
『君は鬼神じゃない!君は・・・』
『白の剣士、シオンなんだから!』
「ッ!」
喰エ、喰ラエ、全テヲ喰ライ尽クセ!
「・・・・・」
オマエハ鬼ダ、鬼神ダ!!
「うるせぇッ!」
何ッ!
「何が鬼だ、鬼神だ!俺はんなもんになった覚えはねえッ!俺は・・・」
シオンは拳を地面に叩きつけた。すると黒い空間は瞬く間にガラスのように砕け散った。
「俺は、雪羅だ!!」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
ザザは目の前で動きを止めたシオンに警戒を崩さなかった。
『一体、何が・・・』
ザザがそう思っていると、シオンの身体はバタリと力無く倒れた。ザザはその瞬間を見逃さず接近、トドメを刺すべく刺剣を突き立てる。
「終わりだ、シオン・・・!」
刺剣をシオンの心臓
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