第八章
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「広島ファンになったら」
「別にいいけれど」
「広島ならね」
「巨人じゃないのならね」
「いいわよ」
これが友人達の返事だった。
「それならね」
「いいわよ」
「そりゃ巨人じゃ許せないけれど」
「カープならいいわよ」
「広島ならね」
「そうなの、じゃあね」
寿子はグラウンドの広島の選手達を観つつ応えた。
「私広島ファンになるかも」
「そうなのね、じゃあ頑張ってね」
「野球のファンは違うけれど」
「それでもね」
「お互いに応援していこうね」
「贔屓のチームをね」
友人達は寿子に暖かい声で言った、そのことに友人というものを見ながらだ。寿子は自分が笑顔になっていくのを感じ取った。
そして家に帰ってだ、雅にこう言った。
「物凄く楽しかったわ」
「阪神勝ったしね」
「うん、カープ負けたけれどね」
「あれっ、カープのこと言うの?」
「何か観てたらね」
そうしていたらとだ、母に言うのだった。
「カープ好きになったわ」
「何よ、鯉女になったの」
「そう、コイジョにね」
「あらあら、皆は何て言ってたの?」
「お互いに応援していこうってね」
笑顔で言う寿子だった。
「そう言い合ったわ」
「それはいいことね」
「阪神でも広島でもね」
「よかったじゃない、お友達もわかってくれてね」
「本当にね、好きな球団が見付かっただけじゃなくて」
友達にも認めてもらってというのだ。
「よかったわ」
「そうね、それじゃあこれからもね」
「私また甲子園行くわ」
「カープを観になのね」
「球場では分かれるけれど」
それでもというのだ。
「応援はするわ」
「あんたは三塁側に行って」
「皆は一塁側になってね」
「何なら皆で一緒に外野席かバックネットで応援したら?」
笑ってだ、母は娘にこう提案した。
「別々に応援するよりいいでしょ」
「応援するチームは違っていても」
「それでも友達でしょ」
だからだというのだ。
「一緒に応援したら?」
「そうね、じゃあ皆に提案してみるね」
「そうしてみてね」
母は娘の背中を言葉で押した、そして実際にだ。寿子が茶室で皆に提案すると皆は寿子に明るい笑顔で応えた。
「いいわね、それ」
「応援するなら一緒の方がいいしね」
「外野席なら一緒にいてもいいしね」
「それならね」
「じゃあこれからもね」
寿子は皆の笑顔での言葉に自分も明るい顔になって応えた。
「甲子園に行ってね」
「一緒に応援しようね」
「応援するチームは違ってもね」
「仲良くね」
こう話してだった、そのうえで。
寿子は友人達と楽しい時間も過ごす様になった、韓戦だけでなく。寿子は友人を作り共に楽しむことを知り変わった、学校の成績はそのままで明るく陽気な娘にな
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