第二章
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「お勉強ばかりでもよくないから」
「だから部活もして」
「そう、茶道とかやってみたら?」
お茶が好きな寿子に勧めるのだった。
「それでそこからね」
「お友達を作って」
「楽しんでみたら?お勉強もいいけれどね」
「ううん、お母さんがそう言うのなら」
それならとだ、寿子も頷いてだった。
「部活入ってみるわ」
「どの部活に入るの?」
「私運動は好きじゃないし苦手だから」
それならだった。
「文化系の部活がいいわよね」
「それでなのね」
「お茶好きだし」
自分でも言うのだった、このことを。
「茶道部にするわ」
「そちらにするのね」
「ええ、明日入部届け出してね」
そのうえというのだった。
「それでね」
「うん。じゃあね」
「これまで部活はしてこなかったけれど」
「いいものだから」
雅は切実にだ、寿子に言った。
「お母さんも楽しんでたし」
「そうだったの」
「ええ、学生時代はね」
「部活は何してたの?」
「吹奏楽部よ」
その部活を楽しんでいたというのだ。
「よかったわよ」
「お母さん吹奏楽部だったのね」
「お父さんはラグビー部だったそうよ」
「それでお兄ちゃんはバスケ部で」
「お友達も一杯出来たしね」
「それで私も」
「部活の活動自体も楽しんで」
また言う雅だった。
「それでね」
「それでお友達も作って」
「楽しんでね」
こう言って娘の背中を押してだった、そのうえで。
寿子は次の日に実際に茶道部に入部届けを出した、顧問の宮田先生は寿子が入部届を出したのを職員室の自分のクラスで受け取って目を丸くさせた。
そのうえでだ、寿子にこう言った。
「本当なのね」
「はい、そうです」
「水野さんが入部するなんて」
「入部したら駄目ですか?」
「いやいや、茶道部は誰でも大歓迎よ」
入部する人はというのだ。
「明るく楽しくね」
「そうしてですね」
「楽しむのがね」
それこそ、というのだ。
「うちの部活だから」
「それでは」
「ええ、入部おめでとう」
あらためて言う先生だった。
「今日から来てくれるのかしら」
「そうさせてもらっていいですか?」
「思い立ったら吉日よ」
この考えに基づいての言葉だった。
「それじゃあね」
「宜しくお願いします」
「じゃあ茶道部の茶室はわかってるわね」
「あそこで、ですね」
「ええ、活動してるからね」
だからそこに来てくれとだ、先生は寿子に告げた。そして寿子も先生のその言葉に頷きそうして放課後に。
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