第六章
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」
「そうよ、これからは身体のあちこちをじっくりと診てあげるからね」
「今のところ大丈夫だけれどね」
「油断大敵よ、高校の頃からいつも言ってるでしょ」
千代子の言葉もその頃から、いや小学校の頃から変わらない。
「怪我をしたらそれでアウトって」
「だからよね」
「それにこの前の試合であんたホームラン打たれたでしょ」
「いや、浜風を使われたわ」
勝恵はベンチの三塁側を見て姉に応えた、彼女がいる一塁側も三塁側もだ。もう球場は黒と黄色で目がちかちかする程だ。
「逆にね」
「ホームグラウンドの利点を使われないの」
「敵もさるものね」
「あんた被本塁打は少ないけれどここぞって時に打たれてるから」
「そこも油断するなってことね」
「そう、じゃあ今日からね」
千代子はユニフォーム姿でベンチに座っている勝恵に微笑んで言った。
「宜しくね」
「こっちこそね」
勝恵は黒と白のユニフォーム姿で千代子に応えた。そうして千代子が差し出した野菜ジュースをお礼を言ってから飲んで練習に向かった。勝恵は今も勝恵だった。そして千代子も千代子だった。
勉強は駄目でも 完
2014・8・20
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