暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
少年の正体
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ザリアおばさん…いや、オレンジギルド《タイタンズハント》のリーダーさん?」
ロザリアの眉がぴくりと跳ね上がり、唇から笑いが消えた。
「え…でも……だって……ロザリアさんは、グリーン…………」
「シリカねーちゃん、オレンジギルドって言っても、全員が犯罪者カラーじゃない場合も多いんだよ。グリーンのメンバーが街で獲物をみつくろって、
パーティーに紛れ込んで、待ち伏せポイントに誘導する。……昨日、部屋で盗聴してたのも、こそこそ街から僕たちをつけてきたのも、おばさんの仲間だよね」
「……………へぇ、気付いてたんだ。勘も良いのね、坊や」
「そ……そんな…………」
シリカは愕然としながらロザリアの顔を見る。
「じゃ……じゃあ、この二週間、一緒のパーティーにいたのは………」
ロザリアは再び毒々しい笑みを浮かべ、言った。
「そうよォ。あのパーティーの戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷりお金が貯まって、おいしくなるのを待ってたの。本当なら今日にもヤっちゃう予定だったんだけどー」
シリカの顔を見つめながら、ちろりと舌で唇を舐める。
「一番楽しみな獲物だったあんたが抜けちゃうから、どうしようかと思ってたら、なんかレアアイテム取りに行くって言うじゃない。《プネウマの花》って今が旬だから、とってもいい相場なのよね。やっぱり情報収集は大事よねえー」
そこで言葉を切り、レンに視線を向けて、肩をすくめた。
「でも坊や、そこまで解ってながらノコノコその子に付き合うなんて馬鹿?それとも、その子がお姉ちゃんにでも似てたのかしら?」
「残念だけど、僕は馬鹿でもシスコンでもないよ」
レンは、いつもののんびりとした声で言った。
だが、その言葉の中に含まれる針のように尖った冷たい声を隠しきれていない。
「僕もおばさんを探してたんだよ、ロザリアおばさん」
「…………どういうことかしら?」
「おばさん、十日前に、三十八層で《シルバーフラグス》ってゆーギルドを襲ったよね。メンバー四人が殺されて、リーダーだけが脱出した」
「………ああ、あの貧乏な連中ね」
眉ひと筋も動かすことなく、ロザリアが頷く。
「リーダーだったおじさんはね、毎日朝から晩まで、最前線のゲート広場で泣きながら仇討ちをしてくれるヒトを探してたよ」
レンの小柄な体を包む雰囲気が一変した。
これまでの冷ややかさが涼しく感じるほどの、硬く研ぎ上げた氷の刃にも似た、触れるもの全てを切り裂く空気。
「おじさんはね、おばさんを殺してくれって言わなかった。
牢獄
(
ジェイル
)
に入れてくれって言ったんだ。おばさんにおじさんの気持ちが解る?」
「解んないわよ」
面倒そうにロザリアは答えた。
「何
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