第五章
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投手陣もだ、彼に言うのだった。
「いや、ミッキーがいてくれるとな」
「安心して投げられるぜ」
「打たれても獲ってくれるからな」
「どんなやばいコースでもアウトにしてくれるからな」
「だからな」
「これからも頼むぜ」
「ああ、後ろは任せろ」
ミッキーもにやりと笑ってだ、ピッチャー達に言うのだった。
「守備なら俺は自信があるからな」
「ああ、それこそどんな打球でもだな」
「止めてくれるな」
「そしてアウトにしてくれるな」
「そうだ、安心しろ」
にやりと笑っての言葉だった。
「俺はチームの失点を一試合辺り一点は減らしてやるからな」
「オジー＝スミスみたいにな」
「そうしてくれるんだな」
「オジー＝スミスにも負けるか」
最早伝説となっている名手にもというのだ。
「俺の守備はな」
「よし、じゃあな」
「これからも頼むぜ」
「こっちは安心して投げるからな」
「あんたに後ろを任せてな」
ピッチャー達はこうミッキーに言ってだ、実際にだった。
安心して投げた、ミッキーは実際にチームの失点を大幅に減らしてみせた。
相当難しい打球も捕って内野安打になりそうでも強肩でアウトにしてみせる、ダブルプレーも見事に演出する。
そうしてだ、実際にだった。
彼はヒットもそこからのタイムリーも許さなかった、その彼を見てだ。
ファン達もだ、口々に言った。
「ミッキーが来てよかったな」
「ああ、あいつが来てからうちの守備がよくなった」
「失点が大幅に減ったな」
「エラーしないしな」
「どんな打球も捕ってくれるしな」
「ゲッツーの数も増えたぜ」
それも飛躍的にだ。
「あの守備は一千万ドルの価値があるな」
「あの守備で相当勝ってるしな」
「野球は守備も大事だからな」
例えば日本の自称球界の盟主と妄言を吹聴していたチームは史上最強打線という荒唐無稽なことこのうえない厚顔無恥な打線名を掲げていたが守備がお話にもならず無様に負け続けた、野球は守備も重要だとわかっていない愚か者達は絶対優勝すると言っていたが無様な姿を晒し日本国民を笑顔にさせてくれた。
「ミッキーはそれ考えるとな」
「いい選手だよ」
「最高のショートだぜ」
「あの守備はまだにダイアだな」
そこまで貴重なものだというのだ、彼はこのチームで紛れもないレギュラーになっていた。そしてシーズンが終わってだ。
彼はまたダイアモンドグラブ賞を獲得した、しかも。
ベストナインにも選ばれた、以前にも受賞していたがチームが違えど返り咲いた、それでバーで一緒に飲んでいるジョンに言うのだった。
「やったぜ、俺は」
「ああ、自分で言った通りになったな」
テキーラを飲みつつだ、ジョンはバーボンを飲むミッキーに笑って応えた。西部劇のそれを思わ
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