暁 〜小説投稿サイト〜
天そば
第四章

[8]前話 [2]次話
「私はここまで凄いものを食べたことがありません」
「そうですか」
「これならです」
 蕎麦も天麩羅も食べて言うティオテだった。
「ずっと食べられます」
「ずっとですか」
「はい、ずっと」
 そこまでの味だというのだ。
「この天そばは」
「そこまで気に入って頂けるとは」
 新島としてもというのだ。
「嬉しいですね」
「そうですか」
「紹介させて頂いたかいがあります」
 だから嬉しいというのだ。
「本当に」
「そうですか、それでは」
「はい、他にも天そばは食べられますよね」
「他のお店にも」
 あるとだ、新島も答える。
「あります」
「そうですよね」
「学校の食堂にもありますし」
 新島は彼等の学び舎の話もした。
「それに立ち食いのお店にも」
「ありますか」
「うちの学校の食堂の天そばもです」
「いいものですか」
「はい、美味しいですし」
 それにと言うのだった。
「立ち食いそばでの天そばも」
「いいんですね」
「天そばといっても色々なので」
「色々と食べてですね」
「楽しまれて下さい」
「わかりました、それでは」
 ティオテは新島の言葉に笑顔で答えながらその天そばを食べた、そしてそれから一日一回はだった。天そばを食べて。
 天ざるも食べてだ、新島にこうも言った。
「ざるそばに天麩羅も」
「その組み合わせもですね」
「凄く美味しいですね」
「はい、あれもまた」
「最高ですね」
「お蕎麦には天麩羅が合うのですね」
「そうなんですよ」
 新島も笑顔でだ、ティオテに話す。
「おうどんもそうですが」
「お蕎麦もですね」
「そしてその天ざるにもですね」
「惚れました」
 ティオテは新島に満面の笑顔で答えた。
「心から」
「左様ですか」
「これ程の味なら」
 それならというのだ。
「祖国にも伝えられます」
「コートジボアールにもですね」
「はい、コートジボアールの皆にもです」
 この蕎麦、それも天麩羅との組み合わせをというのだ。
「教えたいです」
「それは何よりですね」
「それにしてもずるいですね」
「ずるいとは」
「日本人はこんな美味しいものを食べているとは」
 その天麩羅そば、天ざるもであるがそうしたものを食べられることがというのだ。
「羨ましいです、お蕎麦だけでも天麩羅だけでも素晴らしいというのに」
「確かに。言われてみれば」
「この組み合わせは最強ですね」
「敵う相手はそうはいないでしょうね」
 新島も言われて気付く、このことについて。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ