第四章
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「わしの見た通りじゃ」
「夢でね」
「占いをしておるせいかのう」
「そうした夢を見たのね」
「そうじゃな、しかしプロイセンはな」
この国はというと。
「鉄と血でドイツを覆いな」
「統一するのね」
「それは間違いない、しかしな」
それでもとだ、ここでこう言ったエンヤだった。
「ここからまた夢を見ると思うが」
「今度の夢はなのね」
「どういったものかはわからぬ」
「また鉄と血になるかは」
「わからん、わしが見るかも知れんし」
孫娘であるロンダを見ての言葉だった。
「御前さんが見るかもな」
「私がなのね」
「御前さんはわしの孫で同じ占い師じゃ」
それで、というのだ。
「しかもわしにそっくりじゃからな」
「夢で何かと見ることが出来るかも知れないのね」
「そうやも知れぬ、そして夢を見た時はな」
その特はというのだ。
「その意味をよく見極めるのじゃ」
「夢の意味することを」
「そうじゃ、それが大事じゃ」
「そうね、鉄と血はね」
「わかりやすかったかのう」
「後になってわかったわね」
「しかし後にわかって手遅れだったということもある」
エンヤは深く考える顔になって言った。
「だからそこはな」
「すぐに見極めて」
「動かねばな」
「そうね、今回の夢は私達には何もなかったけれど」
「そうとも限らぬ」
「だからなのね」
「そういうことじゃ、まあ商売は繁盛した」
このことも言うエンヤだった。
「それはよかった」
「そうね」
こう二人で話すのだった、そしてだった。
二人は占い師の商売を続けロンダは結婚し子供も設けた。エンヤは九十を超えても仕事を続けていた。だが。
ある日の朝だ、エンヤは歳とは思えない声でロンダと彼女の家族にこう言った。
「すぐにこの国を出るぞ」
「?まさかと思うけれど」
「夢じゃ、夢でじゃ」
それで、というのだ。
「わし等に恐ろしいことが起こるからな」
「恐ろしいことって」
「昨日この国の田舎でとんでもない男が生まれた」
こう孫娘と彼女の家族、家の食堂で一つになって朝食を食べようとしている彼等に対して言っていくのだった。
「小さな髭を生やした男が一旦北に向かいそこから剣を持ってじゃ」
「剣?」
「その剣でわしも皆も次々と首を刎ねていったのじゃ」
「またそれは不吉な夢ね」
「この夢は絶対に何かある」
こう言うのだった。
「目が異様に鋭い男じゃった」
「目が、なのね」
「その男が生まれた、昨日な」
「それでその男が私達の首を刎ねるのね」
「何者かわからぬしこれから何が起こるかはわからぬ」
その詳しいことはというのだ。
「しかし何かが起こることは間違いない」
「私達皆が殺される様なことが」
「そういえば最近何か
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