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王道を走れば:幻想にて
第三章、終幕:騎士騎士叙任式
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 壮麗な白光を全身から放つマイン王国、王都ラザフォードの宮廷。燦燦とした朝日に照り付けられて、一層と荘厳な美しさを披露している。近場に聳え立つ聖鐘では日の出と共に修繕作業が行われており、その美麗な鐘の音を聞く事が出来ないでいた。王宮に居る者達にとってはさぞ、残念であろう。何故なら今日この日こそ、その鐘の高らかな響きが似合う日の一つなのだから。
 
『マイン王国第三歩兵団大隊長、ハボック=ドルイド』
「はっ!!」

 宮廷の一室、広大な王の間にて厳かな声が響いた。曇り一つ無きガラス窓から注ぐ陽光は神聖な鱗粉すら生み出すかのように、その中に佇む多くの者達に降り注いでいた。その者達は厳粛に背筋を正す宦官達や貴族達、堂々たる直立不動の姿勢を保つ近衛騎士達、そして畏敬の念を向ける若き騎士達。多くの者達の視線の中央、まるでバージンロードのように開けられた通路には三人の者達が立っており、その内の一人が威勢良く声を上げて玉座へと近寄っていく。
 その者、ハボック=ドルイドは常の重厚な鎧姿をさっと着こなし、凛然たる意思を眼と表情に映していた。渋みのある顔付きを、玉座に座したニムル国王と、その傍に控えるレイモンド執政長官、そしてコーデリア王女は静かに見詰めている。カルタスは玉座に登る段差を前に足を止め、無駄の無い動作で跪いた。レイモンドが一歩前へと出て、厳粛に、広間全体に通るように言う。

『汝、王国重要指名手配、鉄斧山賊団及びその団長カルタス=ジ=アックス撃滅せし事、真に大儀なり。亡くなった兵等も、当に浮かばれるべき事であろう。この功を讃え、汝を名誉騎士の座に付す。謹んで享け賜るべし』
『はっ!!更なる武勇を示すべく、指折れ、肉焦がすまで、奮迅するものに御座います!!』

 凛々しく宣言した彼の背中に、若人達の憧憬の視線が注いだ。段の手前にて控えていた近衛騎士等、一方が中年の男で一方がトニア、が彼の下へと近寄り、その背中に純白のマントを羽織らせた。背中には葡萄の様に垂下して揺れる黄色の樫の花の紋章が描かれている。武勇と栄誉を重んじる名誉騎士の称号を、ハモンドはその背中を持って背負う事と相成ったのだ。
 仲間入りを歓迎する近衛騎士等に笑みを小さく返して、ハボックは国王と執政長官に最敬礼をする。そして群集に見せびらかす様に颯爽とマントをはためかせ、元の位置に戻った。

『マイン王国王立近衛騎士、アリッサ=クウィス』
「はっ!」

 次に読ばれたのは、白銀の美麗な鎧と焦げ茶色の髪を陽光に輝かせているアリッサである。真っ直ぐで隙の無い瞳は偏に国王を、そして王女へと注がれていた。背後から注がれる若き女性達の情愛と嫉妬の視線に痒みを覚えつつ、それをおくびにも出さずにアリッサは跪いた。レイモンドは厳かに言う。

『汝、鉄斧山賊団の撃滅、及びコーデリア王
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