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王道を走れば:幻想にて
第三章、終幕:騎士騎士叙任式
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の騎士へと向けた。自分と同じくらい若く、そして戦意に満ち満ちた騎士である。

(・・・ケイタク=ミジョー、か)

 ジョゼは視線を移しながら思う。コーデリアの近くにて、彼女に控えるように立つ若き黒髪の男を捉えた。昨日の騒動の主役である彼は抱えている筈の疲労を凛然と隠し、静かなままにジョゼを見詰めていた。
 ジョゼは新たなる槍を握り締めてそれを地面と水平に構えると、馬首を相手の騎士に向けた。連戦に挑む事になりつつも、この勇馬は己の戦意を嗅ぎ取って地面を足で慣らしてくれている。

(見ていろよ、異界からの新入り騎士さん。こっから先は同じ道を歩むんだ。俺は絶対、お前以上に研鑽を重ねて・・・)

 角笛の低い咆哮と共にジョゼは馬の腹を蹴りつけ、疾走に身を任せた。向かい合って疾駆して来る相手の騎士を睨みつけ、その闘志をぎらぎらと燃やしていく。 

(そしてっ、王国の栄誉を、男の栄誉を成就してやるっっ!!!)

 擦れ違う新任の騎士に対して、ジョゼは思いの篭った渾身の一撃を放った。目にも留まらぬ速さで以ってジョゼの槍は相手の槍より数瞬早く、そして寸分の狂い無く相手の胴体を捉え、半ばから勢い良く折れていった。


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