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先輩の傷
第五章
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ことを考えるとどうしてもだった、彼女にしても。
 彼とは一緒にいられなかった、その傷のことを常に意識してしまうことを思うと。だがそう思うと共にだった。
 自分のことも考えてだ、こう言うのだった。
「どうすればいいのかしら」
「迷うわよね、本当に」
「そのことはね」
「実際にね」
「あんた先輩好きだしね」
「一緒にいたいわよね」
「本音はね」
 そうだとだ、こう言うのだった。
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