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先輩の傷
第四章
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その時にだった、その場所から見て左手の階段のところから話し声が聞こえた。その話はというと。
「板倉もなあ」
「ああ、あいつもな」
「板倉っていうと」
 慎のことだとだ、由紀はすぐに察した。それでその場に立ち止まって階段から見て物陰に隠れて話を聞いた。
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