月光校庭のエクスカリバー
第45話
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私を殺したところで統合は止められん。ああ、無理やり止めることもしない方がいいだろうな。暴走を起こせばどうなるか、私にすらわからん」
「そうか」
忌々しそうにゼノヴィアは呟いた。
どこまであのジジイの言うことが本当か分からねぇけど迂闊に触るってのも危険だろうな。こういうことは朔夜の出番だけど居ないし、そもそも朔夜ですら止められるか疑問なものを俺が分かるわけもない。
「それで、サーゼクスはいつ来る?それともセラフォルーか?」
コカビエルは部長に視線を向け問いかけた。
「お兄様やレヴィアタン様の代わりに私たちが―――」
ドゴォォォォォン!
部長の言葉が爆音にかき消され、爆風が吹き荒れた。
爆風が収まり、巻き上げられた砂煙が収まるとそこには馬鹿でかい光の柱があった。
「つまらん。まぁ前座にはなるか」
ちょっとまて。確かあそこには体育館があったはずだ。まさかあの光の柱で吹き飛んだのか!?
と言うことはあれは堕天使が使う光の槍か!なんてデカさだよ!あれと比べると俺が春に夕麻ちゃん―――レイナーレやドーナシークに喰らった槍が針に思える。
『ビビってるのか?相棒』
ドライグが直接語りかけて来る。
ビビるに決まってるだろ!あんなん、規格外じゃねぇか!次元が違いすぎる!
『そうさ、次元が違う。古の大戦で魔王や神と戦い生き延びたほどの強者だ』
俺はあいつに勝てるのか?
『いざとなったら体の半分をドラゴンに変えてでも打倒してやるさ。倒せなくとも一時間くらい動けないほどのダメージを与えればいい。その後は魔王に任せればいいさ』
そういうレベルの存在ってわけね。肚くくったつもりだったけど甘かったか。
でも、鎧の具現化は最終手段だ。十秒しか強くなれないし、前みたいに途中で切れる可能性だってある。あれから強くなったと思うけど、あの時以上に力を上げるんだ。使用するのは一か八かの瀬戸際だろう。
「さて、地獄から連れてきたおれのペットと遊んでもらうか」
コカビエルが指を鳴らすと新しい魔法陣が現れて輝く。そこからでかい何かが現れた。
校舎の4階に届くくらいの大きさの黒い体。太い脚を4本持ち、そこから生える爪は見るからに鋭い。夜だってのにはっきりと見える赤い目に凶悪極まりない牙。
わかりやすい例えは巨大な黒い犬が近いと思うが、それだけじゃ足りない。
なんてったって顔が三つもある。一つの体に首が三つの巨大な犬だ。
ゲームでこんなやつ見たことあるぞ!
ガオォォォォォォォォォォオオオン!!
うるせぇ!三つ同時に吠えやがった!
「地獄の番犬、ケルベロス」
朱乃さんが呟いた。地獄の番犬って・・・。
「ヤバいんすか?」
「本来は地獄―――冥界に続く門の周辺に生息して、冥界から逃げ出そうとする亡者を喰らう魔物よ
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