第四話 『合流』
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れくらいの時間がたっただろうか。爆弾が完成した頃にはもう12時を回っていた。あとは陵太たちに壁から離れてもらわなければならない。メールも通話も出来ない状況での連絡方法。実はもう思い付いていた。昔陵太と一緒に遊んでいたときによく使っていた、とある方法が。
同時刻 陵太サイド
「あいつ、大丈夫かな。そう簡単にやられるやつじゃないと思うが……」
電話が切断されてから2時間以上の時間がたったが、膠着状態を打破する案は浮かばない。ここに来て避難用の梯子が壊れていたのは誤算だった。他の皆も大分疲れているようだし、早く安全なところに避難しないとまずい。
「皐月くん!これからどうするんだい!?このままだとあいつらに皆食われちまうよ!」
彼は俺のクラスメイトの千歳直也。騒ぎが始まったときに廊下を一人うろうろしていたところを拾ってきたのだが、さっきからずっとパニック状態なのだ。
「いま考えてるところだから。少しは落ち着けって」
とは言え彼の言うとうりだ。何とかしなければ。
「望月さん、佐伯くん何か役立ちそうなものはあったかい?」
ちょうど準備室から出てきた二人に声をかけた。彼らのの名前は望月優衣架と佐伯昂祐二人とも電気科らしいのだが佐伯は連中から逃げていた所を拾ったのだが、望月さんは教室で寝ていた所を引っ張ってきたのだ。天然なのか単純にバカなのかは不明だが、一応空手をやっていたそうなので、頼りにはなる存在だ。
「全然だったよ。武器になりそうなものも無かったわ」
「そっか……わかった。二人ともありがとう」
打つ手なしだ。このままだと、連中がバリケードを破って入ってくるのも時間の問題だ。いや、たとえ入って来なかったとしても、食料も水もなくてどちらにしろお陀仏。一体どうすれば………。このままだと、全員の生存は絶望的だ。諦めかけていたその時、音楽室全体に希望の音が鳴り響いた。
『ゴンゴン……ゴン…ゴンゴンゴンゴンゴン…………』
「な、なんだ!?なんの音だよ!」
落ち着きを取り戻しかけていた千歳が、突然の音に再びパニクり始めた。
「落ち着け!これはたぶんタンギング信号だ。俺が解読するから待ってろ」
最初が2 次が15 次は13 最後が2 これをアルファベット順に並べると、B O M B……爆弾か!?
「皆!音が聞こえた壁から離れろ!眼閉じて耳を塞ぐんだ!急げ!」
全員が反対の壁に集まり、衝撃に備えた。
「やれ!零斗!!」
なぜだろう。誰が居るのか分からないのに、俺の心は零斗だと確信していた。5年前と同じように俺たちを助けてくれると。叫び終え、自らの耳も塞ぎきった次の瞬間
ドゴオゥゥゥゥ!!!!
激し
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