ユナイティング:最強の切り札と最弱の風
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分も悪ぃな」
俺の口から呟きが漏れた。
しかし、それでも剣技を作った俺に部は少しでも残されている。
左手を前に、右手を引き絞る。
片手剣最強にして、黒の剣士が最も使用していた技<ヴォーパル・ストライク>の構え。
彼我の距離、約五メル。完全に間合いにある。
「砕け………ろォオオオオオ!!」
雷帝の雷を追加して、つがえられた剣が獰猛なクリムゾンレッドに輝く。
対するアドミニストレータはーーー。
俺と同様に両脚を前後に広げて腰を沈めると、左手のレイピアを滑らかな動作で右腰に回し、そこでぴたりと制止させる。
「ラァアアアッ!!」
叫びと共に俺はアドミニストレータに剣を撃ち出す。
「ーーーシッ!」
アドミニストレータからも抑制された、しかし鋭い気合いが放たれた。
アドミニストレータの変化したレイピアはヴォーパル・ストライクよりも早く、美しい曲線軌道を描き。
抜き打ちの一閃が俺の胸を切り裂いた。
直後、俺は吹き飛ばされ、天命の大部分を鮮血に変えながらも、地面に膝を折った状態で耐える。
そして、アドミニストレータの声が。
「カタナ単発技<絶空>」
ダークが使っていた、ソードスキル。
つまり、俺の勝ち目はとうに薄れていたーーー否、無くなっていたと言う事に他ならなかった。
絶望にうちひしがれる俺に、アドミニストレータは言う。
「ーーー良いわね、その顔」
アドミニストレータが、近づいてくる。
「やっぱり、向こう側の人間は感情表現も一味違うのかしらね?その泣き顔のまま、飾っておきたいようだわ」
「……好きに、すればいいだろ」
俺はそう言うしか無かった。
絶望に落ちた俺は、徐々に闇に飲まれていく。
ーーーああ、これでもう、戻れないな。
そう思った時だった。
『エクゼキューター!マキシマムドライブ!!』
「ウルァアアアアッ!!」
聞いたことのある声と共に、アドミニストレータが吹き飛んだ。
「ったく、らしくねぇぞ馬鹿が!」
一気に意識を引き上げられ、目の前の人物を見る。
「ダー……ク……?」
銀色の髪、銀色の目、そして黒いローブ。
見間違う筈がない。ダークだ。
「オイコラテメェ、諦めかけて闇に喰われようとしただろふざけんなテメェなに考えてんだくそガキが助けられるもんも助けらんなくなるだろうがちったぁ俺の仕事と苦労を考えやがれくそガキチートハッカーゲーマー!!」
一息付くと、ダークは俺を一発拳骨で殴る。
「……痛い」
「感謝しやがれこの野郎。ーーー戦う覚悟は?」
「在るぜ、闇神。さぁ、行くとしようか」
俺は、立ち上がってアドミニストレータを見る。
「ーーー何故だ」
放たれた声は金属質の響きを帯びていた。
「何故そうやって、愚かにも運命に抗うのだ」
「決まってるだろ、くそババア」
ダークが俺の肩
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