『悪霊使い』の少年そのC
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? ?翌日、一誠が学園のマドンナと登校してきたとのことで学年銃が大騒ぎであった。性欲の化身、三匹のエロの一人である一誠がどうしてリアス・グレモリーと登校してきたのか。質問の雨を松田や元浜に浴びせられる中、千城は幼少期に何を思ったのか幼い千城にジョルジオがプレゼントした懐中時計を開いた。少し大きめで中央にはローマ数字が書いてある文字盤のアナログ時計で左右の扉には写真を入れるためであろうスペースがある。左側は抜け落ちていて、抜け落ちていない方の右側の写真を入れるスペースには幼少期にアーシアと撮った写真が入っている。この時計は以前に何も知らずにチェザーレがプリクラを貼ろうとして千城が激怒したのはいつだったか。
「よっ、御上。あんたはいいの?兵藤に質問責めしなくて」
「桐生か。いいじゃないか、そんなのは好き好きだろうに」
? ?席で何かをしているように見えたので気になった桐生藍華は千城に声をかけた。元浜アキラにはスリーサイズスカウターなるものがあるらしく、桐生はそれの女子版(?)と言ったところで男の象徴を視力で推測できるという厄介な能力の持ち主(元浜談)。文学少女に見える眼鏡に三つ編みおさげの桐生は興味津々な様子でさっさと千城が懐にしまったものが何かと窺っている。
「何しまったの?よかったら私にも見せてよ」
「お前が気にすることじゃないだろ。時計見てたんだよ、時計」
「へぇ、珍しいな。ケータイとかスマホで見ない人なんだね」
「父親が特殊な仕事してたのは知ってるだろ、誕生日プレゼントにもらったんだよ」
? 昔な、と千城がわずかに懐かしそうに当時に思いを馳せたので桐生はふうんと腕を組んだ。できれば千城としては桐生にも見せたくなかったが、下手に怒鳴っても後味が悪いので普通に受け答えした。桐生もまた千城にとっては夢美とは違う意味で心置きなく接することができる存在だ。チェザーレのようなノリを持っているのも大きいが、憎めないヤツという点でもチェザーレに似ているかもしれない。
? ?千城がジョセフによって一年前に海外を連れまわされた時、入学式に遅れたことがあった。そのときに遅れて登場して浮いた千城に一誠と同タイミングで話しかけてきたのは他ならぬ桐生だった。
「まぁ、兵藤はさておき御上は似合うからねぇ。なんか懐中時計って言うと、アンティークなイメージあるけど。見せてもらっていい?壊さないからーーって怒るなよ、ジョークだよ、ジョーク」
? ?懐中時計に興味を示したらしく、早く早くと催促する桐生の目は輝いている。三匹のエロの一人が尋問に遭うのを見て苦笑いし、髪が飛び出してはいてもニット帽を被っているテンションの低い同級生からの睨みつけるような視線を受けて慌てて訂正すると千城は桐生に懐中時計を見せた。古い時計で大きさは少々手のひらに収まるほど
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