憎悪との対峙
38 傍観者の視線
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れたんじゃ、IPアドレスもMACアドレスも追跡には使えない」
「そうだな…笹塚はここでロックマンに倒されてた多分技術担当の御二人を絞り上げてくれ。で、私らは『S.S』についてサーバールームを調べると」
リサとマヤはコンソールの横に残されていた男たちの所持品と思われるThinkpadを笹塚に渡し、サーバールームの中に入った。
笹塚は帽子をかぶり直し、踵を返して一気に階段を駆け上がる。
既にインターネットが使えない現在、自分たちに出来ることは限られていた。
敵の残した端末の解析と尋問は笹塚が、遺留品や被疑者の取り調べは実働部隊のシドウの部下たちが。
そうするとネットワーク関係でバックアップするのが仕事だった自分たちの仕事は無い。
その代わりに自由に出来る範囲のことに手を着けられる。
この部屋にあるかもしれないヨイリーの秘密、それが事件に大きく関わっている何かに辿り着くかもしれない。
「えっと…『S.S』のサーバーは291番」
「一応、クローズドネットワークだけど、普通のインターネット回線とは違う特殊な回線で顧客はアクセス出来るようになってるわ。クラッカーが侵入できるのはインターネット回線だけ。外部からはどんなにスキルがあるクラッカーでも侵入は無理。よく考えられてるわね」
「ここは直接、サーバーからハードディスクごと貰っていこう」
マヤは1回深呼吸をすると、サーバーの電源ボタンを押した。
するとまるで一瞬で死んでしまったようにサーバーは情けない音を立てて機能を停止する。
そしてバッグから工具セットと取り出すと、サーバーを手際良く分解し始めた。
「えっと…姉ちゃん、#1のプラスドライバー」
「はい」
「フンフンフ〜ン♪」
「楽しそうね?」
「こういうのはサクサク気楽にやるのがいいんだよ!」
リサは鼻歌交じりにサーバーを分解するマヤの作業を見ながら苦笑いを浮かべた。
確かに指先はかなり器用でケーブル1本すら誤って切ることも無く、かなりスピーディーで正確に作業は進められている。
だが取り外したパーツは周囲に投げ捨てられている。
僅か数秒で周囲はケーブルとネジが散乱して足の踏み場が無くなってしまった。
しかし自分ならそちらに気が回って作業の速度は遅い。
こういう捜査の時はマヤのような大胆なスタイルも大切なのだとリサは何処か関心していた。
「よっし!ハードディスク取り出し完了!」
「速く本部に戻って分析しましょう。皆さんも!長居するのはマズイわ!本来なら私たちが入ってはいけないブラックボックスなんだから」
「あぁ…下手にそこらのサーバー触っただけで…消されかねないもんな、国とかに」
リサとマヤは周囲の隊員たちを引き連れてサーバールームを後にした。
サーバールームには大量の機密が隠されてい
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