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新説シンデレラ 
第六章
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当然のことです」
 夫人は動じていない、まさにそれが当然といった顔で夫に答えた。
「貴族ですから」
「貴族の娘だからだね」
「婚姻政策の駒となることはです」
 まさにだ、それはというのだ。
「当然のことです」
「そういうことなんだね」
「そうです、ですからこのことは」
「考慮することはない
「当然のことですから」
 だからだというのだ。
「何もです」
「我々もそうだしね」
「貴族ならばまずは家です」
「家の為に全てがあるんだね」
「そうです、その為には分け隔てなく教育をし」
 実際に自身が娘達にした様にだ。
「良縁に嫁いでもらわないとならないのです」
「そしてそれが成功してだね」
「今に至るのです」
「全てはそういうことだね」
「だから私はシンデレラも差別しませんでした」
 例えだ、継子であろうともだ。
「家の娘なので」
「家の娘ならだね」
「私の娘でなくとも娘です」
 実の娘でなくともだ。
「だからいいのです」
「家の娘だね」
 シンデレラもそうなる、伯爵もそのことがわかったのだった。婚姻と教育により繁栄を手に入れた家の中において。


新説シンデレラ   完


                           2014・9・24
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