〜三十二幕〜揺るがない決意
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幾姉さんには悪いが、この場を離れて狂夜の墓を作る。
阿部さんが狂夜の遺体を担いで、新月家まで向かった。
ずっと歩くこと数十分、新月家へついた。
阿部「誰もいない、か」
すると、玄関からある男が出てきた。
阿部さんは、慌てながらお辞儀をした。
?「?????阿部か」
そう言うと、すんなり行ってしまった。
「今の誰?」
小声で阿部さんに聞くと
阿「狂夜の親父さんだ」
!???まただ、また狂夜兄さんの遺体を見たのにすんなりいっちまいやがった。しかも息子の遺体だってのに
「やりきれねぇな???」
そう呟くと阿部さんが肩を添えてこう言った。
阿「理解しているんだろう、幾斗や親父さん、二人共狂夜が立派に闘って、そしてお前の命を吹き替えした。名誉ある死だ、悲しんではいけないと思ってるんだろう。そういう人達は心の奥底できっと狂夜の死を人一倍悲しんでるんだ。皆が居るなかで、増してや狂夜が居るなかで涙なんか流せないんだ」
阿部さんの顔を見れば分かる。彼も同じだ
「???分かった兄さんはどこに?」
そう言うと、庭を指し示した。
阿「ここら辺で頼む」
そういって、穴を掘り狂夜兄さんを埋葬した。
『苗を創りだす』
俺の手から、小さな木の苗が出てきた。
阿「それは?」
「月桂樹、花言葉は『名誉』狂夜兄さんにピッタリだろ?」
俺は震える声で言った。鼻水が止まらないし、気を抜いたら涙が溢れてしまいそうだ。
だが、阿部さんの言葉を思いだして必死に堪えた。
阿「???よし、ありがとう???行こうか」
そう言い新月家を出ると、気が緩んでしまったのか今の今まで堪えて居たものが全て込み上げて来た。
足が力を失い、崩れ落ちた。
涙が溢れてボロボロと滴り、鼻水も流し出るだけの声を絞り出して、涙が涸れる位に、声が出なくなる位、
その時、姉貴が俺をそっと抱きしめた。
その性で俺はまた涙が出た。俺の声も次第に力のない物になっていった。
姉貴が俺の頭を撫でる。
神「いつまでも泣かないの、あんたが今すべきと思ったことをやりなさい?私達も一緒になって闘う」
その言葉で、我に帰る。
こんな事をしていちゃ駄目だ、狂夜兄さんが何故、命を張ってまで俺を助けたんだ!
俺に託してくれたんだ!俺ならやれる、俺ならやってくれるって狂夜兄さんが繋ぎ止めてくれた命。
俺は涙を拭い、立ち上がった。
「俺の涙はここで涸れ果てた。決意した!俺はオーダーを潰す、そしてあの祐海の顔面に一発お見舞いしてやる。付いて来てくれるか?」
神「言ったでしょ?私はどこにでも付いて行く」
阿「オーダーは必ずやってやる???!」
千「私も、骸の為なら??!」
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