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新説イジメラレっ子論 【短編作品】
蛇足
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び腰の来瞳は風原の服の裾を掴んでふるふると震えている。
たしかに自分の身さえ自分で守れなさそうである。流石の風原もこのヘタレっぷりには呆れた。

「おまえ自分で言ってて情けなくならないのか?」
「だ、だってぇ……ひゃっ!?カ、カラス!」
「おい、俺を盾にするな鬱陶しい」
「ひぃ!?虫!!」
「ただのバッタだろうが。いちいち俺を盾にするな」
「だって怖いんだもん!風原くん守ってよぉ……」
(どんだけビビりなんだ……つーか掴まれてるシャツが伸びる)

その後、いい加減に鬱陶しくなった風原は草むらから適当な虫を捕まえて、それを利用してヘタレ来瞳を追い払った。その様子は完全にいちゃついているようにしか見えまかった。


NGシーン 幻の第六話の展開

「…………」
「…………」
「…………」
「…………」

無言で机に座り続ける風原と来瞳。二人ともどこか喧嘩しているようなぎすぎすとした空気を醸し出しており、2人とも不機嫌そうな顔はそっくりである。喧嘩している筈なのに、どこか雰囲気が一致しているように見えなくもない。

「倦怠期?」
「違う」
「違います」
(息ぴったりじゃん……)

実は仲がいいんじゃないのか?と疑る周囲だった。
 
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