暁 〜小説投稿サイト〜
イリス 〜罪火に朽ちる花と虹〜
Interview12 オトギノヒブン −Historia of “Tales”−
「残された希望を破壊しないでくれ」
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もしイリスがルドガーたちに背を向けていなければ、彼らはイリスの笑みを目撃し、その邪悪さにイリスへの心証を変えていただろう。






 イリスがサルベージ作業を終えると、オーディーンは戦うことなく投降した。
 ルドガーはイリスの肯きを受け、骸殻の槍でオーディーンを貫き、『箱舟守護者の心臓』をエルに持たせて持ち帰った。


 正史世界のウプサーラ湖跡に戻ったルドガーは、真っ先にイリスに歩み寄った。

「ありがとう。イリスのおかげで、無駄にみんなが傷つくこともなかった」
「ルドガーにとって幸いならイリスにも幸いよ」


 ――“ルドガーがおいしいなら、お母さんもお腹一杯”――


 もはやなじみとなった母クラウディアの思い出も含め、ルドガーはイリスに笑いかけた。
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