第12話 Tempest Turn 3
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渾身の一撃を片腕で止められ、サテライザーの顔が驚愕に染まる。
しかも、力を込め続けているのに、刃が1ミリたりとも動かないのだ。
「どうした?このていどか二年生。」
その台詞に、屈辱と共に怒りが湧いてくる。より一層力を込めるが、やはり刃は通らない。
「ハァッ!」
イングリットの鋭い蹴りが、頭に直撃し、一瞬よろけた。その隙を突かれ、脇腹に拳を叩き込む。
「ガハッ…」
その一撃に、込めていた力が抜け、一歩二歩と、後退る。そして、更に勢いをつけた回し蹴りが、胸部に炸裂し、隣の寮の屋根まで吹き飛ばされる。
ドガァン??
サテライザーが叩きつけられた場所には、丸いクレーターが出来上がっており、その一撃の威力を物語る。
「少し期待外れだな。」
イングリットは、拳を振り抜いた状態から4本の指を立て、くいっとひいた。
それは挑発の合図だ。
屋根の上に立ち上がり、もう一度ノヴァブラッドを構え、イングリットへと飛びかかる。
空中で、赤と金色の閃光がぶつかり合う。赤い閃光は、まるで弾丸のように、金色の閃光は、まるで流星のように、互いを否定しあう。
なんど打ち合ったのかは、最早数え切れない。そして、ようやく二人の姿がはっきりと見える。
体制は、どちらも違った。
片方は、イングリット。なんの問題もなく、首を鳴らしており、
もう片方は、サテライザー。膝をついて息を整えている。
今までにない程の、劣勢だった。
「ッ??アクセル????」
サテライザーの周りに風が吹き、その姿が消える。
彼女の十八番。アクセルターンだ。
その速度は、前回のそれの比ではない。
ほんの短時間で成長しているのだ。
不規則に動き、イングリットへと近づく。それはまるで、カズトの戦い方のようだった。
「ほう、アクセルが使えるというのは本当らしいな。」
だが、とイングリットは全く動じていない。
それは、圧倒的強者の持つ余裕。
自分の勝利を微塵も疑っていないのだ。
ーバカにして??
怒りと共に、加速する。
ノヴァブラッドの先端を、その加速に身を任せたまま、一気に突き出した!
ガキィン????????
甲高い金属音と共に、ノヴァブラッドが止まった。
いや、止められたが正しいだろう。
トンファーというのは、先端が平らになっている。それは、少しでも打撃面積を広げるためだ。
そして、とてつもない動体視力と、腕力があれば、その部分で敵の攻撃を防御することも可能だ。
そして、イングリットは今それをやってのけた。
「加速というのは…」
イングリットが、サテライザーに教育を施すかのように語り始める。
「3年になれば全ての生徒が学ぶ初歩中の
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